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「薬師如来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

薬師如来の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
清水の家を起しましたゆえ、母は悦びて眼病も全快致しましたは、皆な天民の作の観音と薬師如来の利益であろうと、親子三人夢に夢を見たような心地で、其の悦び一方ならず、....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
東堂が質に入れたのは、銅仏|一躯と六方印一顆とであった。銅仏は印度で鋳造した薬師如来で、戴曼公の遺品である。六方印は六面に彫刻した遊印である。 質流になっ....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
礼だが、何か共通せる一点を私はいつも感じて眺めているのである。 この本尊である薬師如来は、そもそも光明皇后眼病|平癒祈願のためにと、ここの尼僧は説明してくれた....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
主である彼が、何故寺男の生活をしているかと云う理由だった。久八は、永年の神経痛が薬師如来の信仰で癒おったとか云うので、それ以来異常な狂信を抱く様になり、ついぞ此....
魔王物語」より 著者:田中貢太郎
であった。彼は麦倉邸の妖怪の噂を聞いたので、某日平太郎の前へ往って、 「西行寺の薬師如来は、霊験のあらたかな薬師でございますから、其の画像を借り受けて、御信心な....
美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
の中にわれらの美の淵源とすべき彫刻の充満していることはいうまでもない。金堂安置の薬師如来像のような聖徳太子御在世中の造像にかかるものや、同金銅|釈迦三尊像や、所....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
だ。したが、皆の者、今宵は早う眠るが好い、左様致したなら翌日は治ろう。好う一畑の薬師如来を信仰せよ」 御後室はそう云って、自分にも早くより蚊帳を吊らせ、寝所に....
法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
たであろう。そしてその東の間には、御父用明天皇の御為に敬造せられた東方浄土の教主薬師如来の尊像を安置し、西の間は依然太子の御居室として遺されてあった所へ、太子の....
古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
中宮寺観音、夢殿観音など、推古天平の最も偉大な作品は、同じくみな観音である。他に薬師如来の傑作もあるが、観音の隆盛にはかなわない。だから推古天平室に観音の多いこ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
が、もうその辺ではセラのお医者ということは非常な名声になって居りまして、ほとんど薬師如来が来たか何ぞのように礼拝してものを頼むという次第で実に驚きまして、その翌....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
見えるのは、月光の底に沈んでいる二十八柱の大伽藍、僧|行基のひらくという医王山|薬師如来の広前あたり、嫋々としてもの淋しい遍路の鈴が寂寞をゆすって鳴る……。 ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
寺に設えておきました。まずはおくつろぎを」 宿の駅門から山ぎわの方へ一、二町。薬師如来の一堂がある。桜井寺の境内だった。 「のちほど、お願いの儀もありますゆえ....
山の人生」より 著者:柳田国男
文を書留めて置く方がよいと思う。 一、そも/\山の御神、数を申せば千二百神、本地薬師如来にておはします。観世音菩薩の御弟子|阿修羅王、緊那羅王、摩※かせん。是よ....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
って、晴着をして山に行き藤の花を採って来て、仏壇に立てる風があった。それを米山の薬師如来に上げると言っていたのも、同じくまた山から農作の神を迎え申す意味であった....