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「薬石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

薬石の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
によって胸に詰って来ると毛孔が開いて風邪を引くような事になる、人間|元来病なく、薬石尽く無用、自ら病を求めて病が起るのじゃ、其の病を自分手に拵え、遂に煩悩という....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
まだ二三枚はここに完全に残されたもの――腹がすいてきた、これもまた、時にとっての薬石《やくせき》。田山白雲は、これをとって、むしゃむしゃと食いました。 こうな....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
於菟《とみいおと》女史は、この時|娑婆《しゃば》にありて妾と同病に罹《かか》り、薬石効《やくせきこう》なく遂《つい》に冥府《めいふ》の人となりけるなり。さても頼....
怪談綺談」より 著者:小酒井不木
受けていた。 母一人、子一人のことであるから、娘は必死になって介抱に努めたが、薬石効なく遂に母親は悲しき息を引き取った。 すると娘の悲嘆は絶大であった。彼女....
妖怪学」より 著者:井上円了
試むるに、みな好結果を得たり」と。かつ曰く、「本術はいかなる重症難患といえども、薬石を用いず診断を要せずして、たやすく全治することを得る奇法なり」と。余、その語....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
るもの聞くもの地獄の姿に外ならなくなった。夕ぐれ庫裡へ行燈の油を取りに行く僧も、薬石と名づけられる夕飯を取り囲んで箸を上げ下げしている衆僧も、饑え渇ける異形のも....