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「薬草〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

薬草の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
てゆかん。娑婆界《しゃばかい》を隔つる谷へ。 岩むらはこごしく、やま水は清く、薬草の花はにおえる谷へ。」 マッグは僕らをふり返りながら、微苦笑といっしょに....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
ないではなかった。これは尊が暇さえあると、山谷《さんこく》の間をさまよい歩いて、薬草などを探して来るからであった。 彼は勿論思兼尊に、反感を抱くべき理由がなか....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
た。 「わたくしは城中に住んで、医者を業としている者でございますが、今日この山へ薬草を採りにまいりまして、思わず足をすべらせてこの穴へ転げ落ちたのでございます」....
薬草」より 著者:泉鏡花
というのにしている。彼は名を光行とて、医科大学の学生である。 時に、妙法蓮華経薬草諭品、第五偈の半を開いたのを左の掌に捧げていたが、右手に支いた力杖を小脇に掻....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
間の十畳で、本床附、畳は滑るほど新らしく、襖天井は輝くばかり、誰の筆とも知らず、薬草を銜えた神農様の画像の一軸、これを床の間の正面に掛けて、花は磯馴、あすこいら....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
でも薄っすりと舌に甘く感じたように覚えて居ります。又物の調味には、あの甘草という薬草の粉末を少し加えましたが、ただそれは上流の人達の調理に限られ、一|般に使用す....
」より 著者:織田作之助
たろうか。 お定の臥ていた部屋は寺田屋じゅうで一番風通しがよかった。まるで七年薬草の匂いの褐くしみこんだその部屋の畳を新しく取り替えて、蚊帳をつると、あらため....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
かな。それから、可遊さんの方は、小式部さんから二、三尺程横の所で、これは、左胸に薬草切りを突き立てていたんだがね。それが、胸から咽喉の辺にかけて、血潮の流れが恰....
水鬼」より 著者:岡本綺堂
来てわざわざ採集して行ったようですが、それからどうしましたか。」 「これが貴重な薬草だということが発見されるといいんですがね。」と、僕は笑った。 「そうなるとし....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
。恥かしいが、本当のことだ。御覧の通り、医者はおろか、薬を買う金もないのだ。安い薬草などを煎じてのんで、そのにおいで畳の色がかわっているくらい――もう、わずらっ....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
でもう好い」 「でも、百の印籠から取出した薬の数々を練り合せ、それに先生御秘蔵の薬草を混ぜたのが、霧隠れ雲隠れの秘薬とやら」 「それには又それで秘事口伝が有る。....
壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
典薬|勝成裕が、御隠居|上杉鷹山侯(治憲)の内意を受けて、一行十五人、深山幽谷に薬草を採りに分け入るという、その時代としては珍らしい計画が立てられた。 その最....
」より 著者:カフカフランツ
にはこれまでうまく成功した。故郷では自分が病気を癒す力をもっているので、「にがい薬草」と呼ばれていた。ともかく君のお母さんと会って、お話ししたいと思う。おそらく....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
から随分難儀です。谷間にはやはり樹もあれば美しい草花が咲いて居ります。その中には薬草も沢山あり、また麝鹿も沢山棲んで居ります。その夜は雪山の間の巌の中に泊り、そ....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
日ほどかなりよい。胃が強くなる薬をたまに摂っている。また君のすすめに従って腹部に薬草を貼ることも始めた。――灌水浴のことはフェーリングは耳を傾けようとしない。だ....