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「藁灰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

藁灰の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新世帯」より 著者:徳田秋声
る。新吉はこそばゆいような気がした。 しばらくすると、お作と二人きりになった。藁灰のフカフカした瀬戸物の火鉢に、炭をカンカン起して、ならんで当っていた。お作は....
」より 著者:徳田秋声
た。 こんな話が、二人顔を突き合わすと、火鉢の側で繰り返された。火鉢には新しい藁灰などが入れられて、机の端には猪口や蓋物がおかれてあった。笹村は夜が更けると、....
死のなかの風景」より 著者:原民喜
く待っているうちに火葬はすっかり終っていた。竈のところへ行ってみると焦げた木片や藁灰《わらばい》が白い骨と入混っていた。義母はしげしげとそれを眺めながら骨を撰《....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ふいごを使って鉄を焼くのだ。小わかしというのがそれ。 大沸かしとは、鉄の周囲に藁灰をまぶし、また火中に入れて熾熱《しねつ》する。 すめば鍛えである。 三人....
」より 著者:寺田寅彦
せ粉砕せんとあせっている。 火鉢には一塊の炭が燃え尽して、柔らかい白い灰は上の藁灰の圧力にたえかねて音もせずに落ち込んでしまった。この時再び家を動かして過ぎ去....
塩花」より 著者:豊島与志雄
燃えつきると、枯枝を、こんどは少しずつくべた。子供は枯枝をぽきぽき折った。真赤な藁灰の上に枯枝は爽かに燃えた。 山口は先刻の肥料の話を思いだした。 「肥料の灰....
故郷」より 著者:井上紅梅
していた。長卓二台、椅子四脚、香炉と燭台一対ずつ、天秤一本。またここに溜っている藁灰も要るのだが、(わたしどもの村では飯を焚く時藁を燃料とするので、その灰は砂地....
歳時記新註」より 著者:寺田寅彦
るほど熱くなっても外までは熱が届かぬのである。灰には石灰や土灰をも用いるが普通は藁灰である。藁を燃やした屑にはまだ大分に炭素が残って黒い色をしているが火鉢に入れ....
お茶の湯満腹談」より 著者:夢野久作
に架けた翁瓦の笑顔が主人公の益田男爵にソックリである。 土間は真中に新しい黒い藁灰を入れて巨大な堅炭が三角の井桁に重なり合ったまま起っている。煤けた天井からは....
食道楽」より 著者:村井弦斎
へ散らん。鍋の底と腰を温めてから上の孔より少しずつ上昇するばかりだ。この火鉢へは藁灰《わらばい》の上等を沢山入れてあるがこの灰を折々取かえなければならん。中へ用....
銀河まつり」より 著者:吉川英治
つも蔭干しになっているし、膠を溶いた摺鉢だの、得体の知れない液体を入れた壺だの、藁灰を入れた桶だの、そのほか秤とか、刃物とか、硫黄の塊片とか、なにしろ眼にあまる....