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「藍碧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

藍碧の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
進ませつづけていた私達の前方には、とうとう岬の、キャプテン深谷邸が見えはじめた。藍碧の海をへだてて長く突出した緑色の岬の端には、眼の醒めるような一群の白堊館が、....
旅愁」より 著者:横光利一
の陶土のように滑かな地の襞に、ところどころに塊り生えた樹の色は苔かと見える。海は藍碧を湛えてかすかに傾き微風にも動かぬ一抹の雲の軽やかさ。―― 何と明るい空だ....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
。(年老いたる海坊主)美女。博士。 女房。侍女。(七人)黒潮騎士。(多数) 森厳藍碧なる琅※殿裡。黒影あり。――沖の僧都。 僧都 お腰元衆。 侍女一 (薄色の洋....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
は、以来手毬の糸が染まって、五彩|燦爛として迸る。この色が、紫に、緑に、紺青に、藍碧に波を射て、太平洋へ月夜の虹を敷いたのであろうも計られません、」 とまた恍....
海神に祈る」より 著者:田中貢太郎
になっていた。 それは延宝七年の春の二時すぎであった。前は一望さえぎる物もない藍碧の海で、其の海の彼方から寄せて来る波は、※どんと大きな音をして堰堤に衝突とと....
南国太平記」より 著者:直木三十五
ずくまっていた。 大きく呼吸《いき》をして、玄白斎は、腰を延すと、杉の間から、藍碧に開展している鹿児島湾へ、微笑して 「よい景色だ」 と、岩へ近づいた。そし....