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藤豆
「藤豆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
藤豆の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「藤の実」より 著者:寺田寅彦
る。子供がいたずらに小石でも投げたかと思ったが、そうではなくて、それは庭の藤棚の
藤豆がはねてその実の一つが飛んで来たのであった。宅のものの話によると、きょうの午....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
りり。 その声が、直ぐ耳近に聞こえたが、つい目前の樹の枝や、茄子畑の垣根にした
藤豆の葉蔭ではなく、歩行く足許の低い処。 其処で、立ち佇って、ちょっと気を注け....
「鱗粉」より 著者:蘭郁二郎
た。 七月! 既に藤の花も散り、あのじめじめとした悒鬱な梅雨が明けはなたれ、
藤豆のぶら下った棚の下を、逞ましげな熊ン蜂がねむたげな羽音に乗って飛び交う……。....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
を挟んで、水に臨んだ一方は、人の小家の背戸畠で、大根も葱も植えた。竹のまばら垣に
藤豆の花の紫がほかほかと咲いて、そこらをスラスラと飛交わす紅蜻蛉の羽から、……い....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
があります。ここに、生りもの、栗、蜜柑、柿、柘榴などと、蕪、人参、花を添えた蔓の
藤豆、小さな西瓜、紫の茄子。色がいいから紅茸などと、二房一組――色糸の手鞠さえ随....
「四谷、赤坂」より 著者:宮島資夫
をついて、子供達は裸で逃げ出した所である。秋になると、崖ぶちの恐ろしく高い木に、
藤豆のような大きな平たい莢《さや》の実が生《な》った、簪玉《かんざしだま》位な真....