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「藪から棒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

藪から棒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
ーん、そうだろうと思った。土曜日だからね」 土曜の夜は女のみだれる晩だという、藪から棒の京吉の意見の底には、古綿を千切って捨てるような、苛立たしいわびしさがあ....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
ざりませぬか。 お梶 (緊張しながら、しかもつつましやかに)なんでござりまする。藪から棒のお尋ねでござりまするのう。 弥五七 (やはり道化た身振りで)藤十郎どの....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
ていただきます」わりに丁寧な声が出たので、われながら気持良かった。 「なんでや?藪から棒に――」 巧く理由が説明出来そうにもなかったし、また、一刻もそこに居り....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
も所望いたしたいと存じて、先刻からここにお待ち受け申していたのでござると言った。藪から棒にこんなことを言いかけられて、弥次右衛門の方でも素直に渡すはずがない。彼....
わが町」より 著者:織田作之助
ことやがな……」 型通りのおくやみを述べたあと、笹原はそう切りだした。 「――藪から棒にこんなこと言うのは、なんやけったいやけど、その子どこぞイ遣るあてがもう....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
て、これはてっきり外に出来たなとそう思ったんだ。そんなあんばいで半年も経った頃、藪から棒に会計のグリゴリー・ペトニコフが人を入れて、カチヤを囲いたい、話に乗って....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
……おじさん、おじさんが、むかし心中をしようとした、婦人のかた。」 「…………」藪から棒をくらって膨らんだ外套の、黒い胸を、辻町は手で圧える真似して、目を※ると....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
ちょいとお前伺って御覧。」 「はい。」と進み、「さあお相手。」と言う。 「そんな藪から棒な挨拶がありますか!」 「おや! おや!」と退いたるあと、小松なるべし立....
貞操問答」より 著者:菊池寛
合せて、新子の澄んだ静かな瞳にぶっつかると、安心したように、 「何ですか。こう、藪から棒のようなお話ですけれど、……若いもの同士で、あやまちのありません内に、い....
おせん」より 著者:邦枝完二
んだ」 「お金とえ」 「そうだ」 「あたしゃ、お金なんぞ。……」 「まァ待った。藪から棒に飛び込んで来た、おいらの口からこういったんじゃ、おめえがかぶりを振るの....
十八歳の花嫁」より 著者:織田作之助
地へ戻らねばならぬ慌しい帰休であった。 久し振りのわが家へ帰ったとたんに、実は藪から棒の話だがと、ある仲人から見合いの話が持ち込まれた。彼の両親ははじめ躊躇し....
三枚続」より 著者:泉鏡花
らず愛吉々々とおっしゃるので、つい言い出しかねておりました。 唐突にこんな事を藪から棒、気が違ったかとお思いなさいましょうが、お嬢さん。 あなたも何にも御存....
式部小路」より 著者:泉鏡花
の方へ後込しながら震え声で、 「串、串戯をするな、誰、誰だよ、御串戯もんですぜ。藪から棒に土足を突込みやがって、人、人の裾を引張るなんて、土、土足でよ、足、足で....
世間師」より 著者:小栗風葉
書生さん。」と不意に私を呼びかけて、「お前さんは、銀行の事を知ってなさるかね。」藪から棒に、つかぬことを聞かれて、私もちょっと返事に迷ついた。 「銀行の事って―....
情鬼」より 著者:大倉燁子
大切にお守をすることにいたしました。何卒御承知置下さるようにお願いいたします』と藪から棒にこんな事を申して来たんでございますの。私は驚いて、早速墓地管理事務所に....