藪柑子[語句情報] » 藪柑子

「藪柑子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

藪柑子の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
だった。殊に近頃は見越しの松に雪よけの縄がかかったり、玄関の前に敷いた枯れ松葉に藪柑子《やぶこうじ》の実が赤らんだり、一層風流に見えるのだった。のみならずこの家....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
細工のような福寿草よりも、せせこましい枝ぶりをした鉢の梅よりも、私は、藁で束ねた藪柑子の輝く色彩をまたなく美しいものと思った。 まんじゅうをふかして売っている....
庭の追憶」より 著者:寺田寅彦
ぐわきに、もとは細長い楠の木が一本あった。それはどこかの山から取って来た熊笹だか藪柑子だかといっしょに偶然くっついて運ばれて来た小さな芽ばえがだんだんに自然に生....
上林からの手紙」より 著者:宮本百合子
湯槽には西日がさしこみ、楢の落葉などが散っていた。白樺の細い丸木を組んだ小橋が、藪柑子の赤い溝流れの上にかかったりしていたところからそこへ入って行ったので、乾き....
随筆難」より 著者:寺田寅彦
れた人があったが、こういうのは最も有難い読者である。 ずっと前の話であるが、『藪柑子集』中の「嵐」という小品の中に、港内に碇泊している船の帆柱に青い火が灯って....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
大伴家持 大伴家持が、天平勝宝二年十二月雪の降った日にこの歌を作った。山橘は藪柑子で赤い実が成るので赤玉ともいっている。一首は、この大雪が少くなった残雪の頃....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
日夏目金之助 高浜清様 ○ 明治四十一年三月十六日(葉書)藪柑子先生「伊太利人」と申す名作を送り候。木曜に御出なければ締切に間に合うよう取....
寺田先生の追憶」より 著者:中谷宇吉郎
る三つの実験台を等分に眺めながら、御機嫌《ごきげん》であった。 その頃は丁度『藪柑子集《やぶこうじしゅう》』や『冬彦集』が初めて世に出た時代で、先生の頭の中に....