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藪睨み
「藪睨み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
藪睨みの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「職工と微笑」より 著者:松永延造
い……眠相にしている姿勢丈がである。 彼は外れた方向へ走る歪んだ球である。少し
藪睨みで、その上愛の筒口が違う方を向いている。彼は人間を忌避し恐怖する。彼はあら....
「模倣と独立」より 著者:夏目漱石
は風変りだと言われても、どうしてもこうしなければいられない。藪睨《やぶにら》みは
藪睨みで、どうしても横ばかり見ている。これはインデペンデントの方の分子を余計|有....
「二重心臓」より 著者:夢野久作
…とか何とか云っていたそうですが、しかし轟はセセラ笑っておりました。彼奴の怨みは
藪睨みの怨みだ。俺は別に生蕃小僧をペテンにかけるつもりじゃなかったんだ。ただお前....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
、その書斎の硝子戸越しに、幾度かこの二冊の書物を見た。その都度書物の背の金文字は
藪睨みのような眼つきをして、 「おや、宣教師さん。いらっしゃい。」 と、当つけが....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
をして自然お兼よりもお鶴の方に親しませる理由だったらしい。が、同時に、色の黒い、
藪睨みのお兼にくらべて、ふっくらした頬とくるくるした眼をもったお鶴の方が、より大....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
と云ったが、抜き身を地へ置くと、その手を頤の下へ支い、眉根へ寄せたがために、
藪睨みのようになって見える瞳で、つくづくとお浦の顔を見詰め、 「以前の拙者なりゃ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
汗を流した人生の観照には全く無関心没交渉であった。如何に感嘆されても称讃されても
藪睨みの感嘆や色盲的の称讃では甘受する事が出来ないで、先ず出発の門出からして不満....