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虎髯
「虎髯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
虎髯の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
をするものではない。」
二人の僧はもう一度青田の間《あいだ》を歩き出した。が、
虎髯《とらひげ》の生えた鬼上官だけはまだ何か不安そうに時々その童児をふり返ってい....
「シベリヤに近く」より 著者:里村欣三
みんな呑み込んでいるのだ。」 高村は黙りこくってしまった。そして支那浪人特有の
虎髯を、口惜しげに引き※った。 「おい、高村! 一体お前はどうするんだ。この輸送....
「小さな出来事」より 著者:寺田寅彦
草鞋を履いている。頭髪は長くはないが踏み荒らされた草原のように乱れよごれ、顎には
虎髯がもじゃもじゃ生えている。しかし顔にはむしろ柔和な、人の好さそうな表情があっ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
京に傲睨していた大元気から小説家二葉亭が学堂提調に任ぜられたと聞いて太く激昂し、
虎髯逆立って川島公館に怒鳴り込んだ。「小説家を提調にしてどうする」と※声川島に喰....
「三国志」より 著者:吉川英治
した。 役館の番卒は、「何者だっ」と、中から覗き合っていたが、重棗の如き面に、
虎髯を逆だて、怒れる形相に抹※をそそいだ巨漢が、そこを揺りうごかしているので、 ....
「三国志」より 著者:吉川英治
呂布は、赤兎馬を止めて、きっと振返った。 見れば、威風すさまじき一個の丈夫だ。
虎髯を逆立て、牡丹の如き口を開け、丈八の大矛を真横に抱えて、近づきざま打ってかか....
「三国志」より 著者:吉川英治
た。 ところが、やがてそこへ駈け上ってきた張飛は、奔馬の上に蛇矛を横たえ、例の
虎髯をさかだてて、 「関羽はどこにいるか。関羽、関羽っ」 と、吠えたてて、近寄....
「三国志」より 著者:吉川英治
「おのれっ」と、牙を咬み、一躍して、曹操を突き殺そうとしたが、その側に、朱面|
虎髯、光は百|錬の鏡にも似た眼を、じっとこちらへ向けている武将が身構えていて油断....
「三国志」より 著者:吉川英治
見事。ご苦労ご苦労」と、からかった。 張飛の顔は朱漆を塗ったように燃えた。その
虎髯の中から大きく口をあいて、 「よしっ。汝を生捕って、汝の肉を啖わずにはおかん....