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虚報
「虚報〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
虚報の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鉄鎚」より 著者:夢野久作
の便箋にこう書いた。 「今朝《けさ》の各新聞に出ているキューバ糖の大豊作の予想は
虚報だと思います。浪華朝報社では、キューバ糖が、何者かに依って大仕掛けに買い占め....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
退却した敵将クロパトキンは、第一軍の追撃に会ってまったく包囲されてしまったという
虚報さえ一時は信用された。 全都国旗をもって埋まるという記事があった。人民の万....
「廃墟から」より 著者:原民喜
これでも売るかな」と呟《つぶや》くのであった。 広島駅に来てみると、呉線開通は
虚報であることが判《わか》った。私は茫然《ぼうぜん》としたが、ふと舟入川口町の姉....
「厨房日記」より 著者:横光利一
本の新聞の報道で知っていた。しかし、世人の未だに信じているクロイゲルの自殺は実は
虚報であったのだ。このような嘘などは真相以上に真実な姿をとるものと梶は思っている....
「旅愁」より 著者:横光利一
た見出しが毎日のようにあっても、いつも片隅の事件として小さな取扱いを受けていた。
虚報や臆測の多い記事に馴れているとはいえ、二つの新聞の主調色をなして片隅から競り....
「死後の恋」より 著者:夢野久作
通牒を各部隊に出すように手筈をしていたのですが……。 とはいえ……仮りにそれが
虚報であったとしても、今のリヤトニコフの身の上話と、その噂とを結びつけて考えると....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
い者ふたりを連れてすぐ深川へ駈け付けると、それは何者かが人さわがせに云い触らした
虚報で、お元も女中たちも無事に家に遊んでいた。それが判って先ず安心して、半右衛門....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
ども消せども、なぜかBB火薬と並んでニーナ嬢の顔が浮かび上がってくるのであった。
虚報 「船長。今も申しましたとおり、防空無電局では、あの時刻に、そんな怪飛行機追....
「破落戸の昇天」より 著者:森鴎外
ツキイは十六年間浄火の中にいた。浄火と云うものは燃えているものだと云うのは、大の
虚報である。浄火は本当の火ではない。極明るい、薔薇色の光線である。人間を長い間そ....
「俊寛」より 著者:倉田百三
かめることができないうちに、この鬼界が島に移されてしまった。 康頼 それはきっと
虚報でしょう。重盛が生きている限りはよもや成親殿を殺させはしますまい。自分の愛す....
「生きている戦死者」より 著者:牧逸馬
ドが騒ぎ、巴里に潜伏しているとあって 〔Su^rete'〕 が動いたが――みんな
虚報で、ベラ・キスはまだ捕まらずにいる。諦めたわけではない。いまだに欧羅巴と亜米....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
て、北海道の知人に打電せしが、家族は余の平生の登山ぶりを知りかつ余に関する新聞の
虚報に慣れておれば、姉ほどには驚かずこの頃相知りたる北竜村の西島清太氏も驚き、わ....
「三国志」より 著者:吉川英治
れが探らせたところでは敵の陣へ都から続々兵糧が運送されつつあるとの報告は、どうも
虚報らしいぞ。案ずるところ、おれを城外へ誘い出そうとする曹操のわざといわせている....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
入りました」 その声の弾みでも、師直がいおうとする所は、すぐ分った。 「やはり
虚報でないのか」 「されば崩御は過ぐる十六日の夜と、ただいま、確たる報なので」 ....