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「虚構〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

虚構の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
を探ってみる事などもあった。そんなにはっきり見えたり聞こえたりするものが、すべて虚構であるのを見いだすさびしさはたとえようがなかった。 愛子は葉子が入院の日以....
錯覚の拷問室」より 著者:佐左木俊郎
を言わせずに引き裂こうとしたのでございました。 高津先生。こうして、彼の卑劣な虚構が純情|無垢《むく》の千葉房枝を殺してしまいました。わたしはこれから、気の毒....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
精神異常だと言いふらされているそうだ。私は彼の物語った事件の真相なるものが、全然虚構であるとは思っていないが、勿論あの全部を信用しているものではない。私の睨んだ....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
てしまうものだが、とにかくどうであるにしろ、あの天使のような女の陳述の中に、一つ虚構の事実があったのだ。ねえ熊城君、ジナイーダはたしか自分のいた修道院がトラヴィ....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
支倉は彼が小林貞子を殺害したと一旦自白して置きながら、後に之を飜して、自白が全然虚構であると云う証明の為に申立てた重要な三点、当日清正公前に電車が開通していなか....
骨董」より 著者:幸田露伴
ているので、その大分に複雑で、そしてその談中に出て来る骨董好きの人※もあり、勿論虚構の談ではないと考えられるのである。 定窯といえば少し骨董好きの人なら誰でも....
帰去来」より 著者:太宰治
的に説明している一文が、いま私の手許にあるのでそれを紹介しよう。これは私の創作「虚構の春」のおしまいの部分に載っている手紙文であるが、もちろん虚構の手紙である。....
早すぎる埋葬」より 著者:佐々木直次郎
、これらの記事が人を感動させるのは、事実であり――現実であり――歴史であるのだ。虚構の話としては、我々は単純な嫌悪の情をもってそれらを見るであろう。 私は記録....
大脳手術」より 著者:海野十三
にあらず。況んや最後に残りたる脳細胞を動物園のゴリラに移植したるなどのことは全然虚構に属する妄想なり。只、一日吾は彼を散歩に連れ出し、落花紛々たる下を動物園に入....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
自身に対して、全身全霊をささげて尽すべき責務がある。かの徒らに暗中に摸索し神学的虚構物につきて好事的詭弁を弄するが如きは、正に愚人の閑事業たるに過ぎない。われ等....
幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
いたら、或いは、雑誌に発表されたら、私は生きてゆけないでしょう。鉄路のほとりは、虚構でなしに、本当のことだけを書けと私に云いました。 これがそうです。私はこれ....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
やった。意外にも再び成功、彼はマック一を無事に突破したのである。 これが事実か虚構か私はしらない。しかし考えさせられる話である。 科学の世界は窮極においては....
可能性の文学」より 著者:織田作之助
らいだと断言する上林暁が、近代小説への道に逆行していることは事実で、偶然を書かず虚構を書かず、生活の総決算は書くが生活の可能性は書かず、末期の眼を目標とする日本....
大阪の可能性」より 著者:織田作之助
すぎず、詩的であるかも知れないが、散文的な豊富さはなく、大きなロマンや、近代的な虚構の新しさに発展して行く可能性もなく、いってみれば京都弁という身辺小説的伝統に....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
拵え話を利用して、白隠を掴んで見たい。それはちょうど、数学に於てある計算はわざと虚構な数を設け、置かれた数に加減乗除してみて、所用を達した上は、再びその数を退け....