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「虚無〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

虚無の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
報恩記」より 著者:芥川竜之介
か三条河原《さんじょうがわら》の喧嘩に、甲比丹《カピタン》「まるどなど」を救った虚無僧《こむそう》、堺《さかい》の妙国寺《みょうこくじ》門前に、南蛮《なんばん》....
或る女」より 著者:有島武郎
すね……そのうちに……。話があるからと女にいわれた時には、話を期待しないで抱擁か虚無かを覚悟しろって名言がありますぜ、ハヽヽヽヽ」 「それはあんまりなおっしゃり....
性急な思想」より 著者:石川啄木
せている、或いは見ている人はないか。実際上の問題を軽蔑《けいべつ》する事を近代の虚無的傾向であるというように速了している人はないか。有る――少くとも、我々をして....
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
える暇があるものか!」 かの早くから我々の間に竄入《ざんにゅう》している哲学的虚無主義のごときも、またこの愛国心の一歩だけ進歩したものであることはいうまでもな....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
いた。水戸はこの友情に篤《あつ》いドレゴがその夜飲み過ぎたことと、日頃に似合わず虚無的な影に怯えているらしいことを案じて彼の邸まで送って来たのである。そのときは....
家霊」より 著者:岡本かの子
った。 今から四五年まえである。「いのち」という文字には何か不安に対する魅力や虚無から出立する冒険や、黎明《れいめい》に対しての執拗《しつよう》な追求性――こ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の考え方/ペルシア宗派のいろいろな見方/宇宙進化の周期に関するインド人の考え/「虚無」からの創造/スカンジナビアの創造に関する詩 ※ 時間算定の実用価値/時の計....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
いと思うほど、復一の人生|一般に対する考えも絶望的なものになって来て、その青寒い虚無感は彼の熱苦るしい青年の野心の性体を寂しく快く染めて行き、静かな吐息を肺量の....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
山伏は凛とした中にもかよわく見えた。 いくち、しめじ、合羽、坊主、熊茸、猪茸、虚無僧茸、のんべろ茸、生える、殖える。蒸上り、抽出る。……地蔵が化けて月のむら雨....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
いているが、かれらもまた軽く、空虚なること影の如くである。 なんとなれば、時は虚無であって、すべての物体には始めと同時に終りが接しているのである。建設はなお行....
岡本一平論」より 著者:岡本かの子
於て、平常、大方無口で、沈鬱な顔をして居ます。この沈鬱は氏が生来持つ現世に対する虚無思想からだ、と氏はいつも申します。 以前、この氏の虚無思想は、氏の無頼な遊....
かの女の朝」より 著者:岡本かの子
切りの中間から見透す空の色を一種の魔性に見せながら、その性全体に於ては茫漠とした虚無を示して十年の変遷のうちに根気よく立っている。かの女は伊太利の旅で見た羅馬の....
褐色の求道」より 著者:岡本かの子
セの著書に譲り渡し、それで気が済んだつもりでいたが、そうは行かなかった。あれだけ虚無の魅力に牽付けられた疲れた人間が、なかなか文学や説明や詩で蘇らせられようとは....
唇草」より 著者:岡本かの子
土の醗酵した匂いが眼にか鼻にか判らない幽かな刺戟で浸みると、濁酒のような親しげな虚無的な陶酔をほんのり与えた。 白い蝶が二つか三つか、はっきりしない縺れた飛び....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
という男が日本へ逃げて来て二葉亭を訪ねて来た。その外にも二葉亭を頼って来た露国の虚無党亡命客が二、三人あった。二葉亭は渠らのために斡旋してあるいは思想上多少の連....