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「虧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

虧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仙人」より 著者:芥川竜之介
一体、緑面朱髪で、※獰《そうどう》な顔をしているが、これも生憎《あいにく》、鼻が《か》けている。その前の、埃のつもった床に、積重ねてあるのは、紙銭《しせん》で....
花火」より 著者:太宰治
。」 「散歩でもしてみますか。」有原は澄ました顔で立ち上った。 月夜だった。半《はんかけ》の月が、東の空に浮んでいた。薄い霧が、杉林の中に充満していた。三人....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
ら君江という女は、金とは又別な意味で、客たちの人気を博していた。 しかし満ればくるの比喩に洩れず、先頃から君江の相貌がすこし変ってきた。金青年に喰ってかかる....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
同時に、法水の顔には痛々しい失望の色が現われた。ああ、ここにもまた、希望の一つがけ落ちてしまったのだ。それには、いっこうに他奇もない、次の数項が認められてある....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
年は早や嬢様は十六の春を迎えられ、お家もいよ/\御繁昌でございましたが、盈つればくる世のならい、奥様には不図した事が元となり、遂に帰らぬ旅路に赴かれましたとこ....
連環記」より 著者:幸田露伴
て曾て離れず。 暁井 残月を斟み、寒炉 砕※を釈く。 ※銀 侈をを免れ難く、莱石を成し易し。 此器 堅く還実なり、公に寄す 応に知る可きなるべし。 答詩が有....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
す身の上ですもの。 腹の立った事さえござんせん、余り果報な身体ですから、盈ればくるとか申します通り、こんな恐しい目に逢いましたので。唯今ここへ船を漕いでくれ....
俊寛」より 著者:倉田百三
が経った。わしはどうして生きてくることができたのだろう。四季の移り変わりと月の盈がなかったら、どうして月日さえ数えることができたろう。何よりも苦しいのは食物が....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
べッタリ腰かけてしまった。苦心が水泡に帰したのである。又九|仭の功名を、一|簣にいてしまったのである。落胆するのは当然である。 しばらく二人とも物を云わない....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
で、わたしは喜んでそれを見つめた。 「昼と夜が交替して幾日が過ぎると、夜の球体がけてほっそりとなったころには、わたしは自分の感覚をそれぞれに区別しはじめた。わ....
活人形」より 著者:泉鏡花
公になし難し。噫公道人情|両是非。人情公道|最難為。若依公道人情欠。順了人情公道。如かず人情を棄てて公道に就き、眼前に下枝が虐殺さるる深苦の様を傍観せんか、と....
五重塔」より 著者:幸田露伴
沸きましょうほどに含嗽手水もそこで妾がさせてあげましょう、と破れ土竈にかけたる羽け釜の下|焚きつけながら気を揉んで云えど、一向平気の十兵衛笑って、病人あしらい....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
。 己が造るまでは、世界も無かったのだ。 日は己が海から引き出して来た。 月の盈は己が始めた。 己の行く道を季節が粧って、 大地は己を迎えて緑に萌え、花を開く....
三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
し上げると長くなりますが……」 =暗転= 笠松博士には、前々から、観念構成|欠症性の微弱徴候と、誇大妄想狂的精神欠陥とがあった。併しながら博士をして、外科....
雷門以北」より 著者:久保田万太郎
た。――ことにはそこに、その榎の下に、いつも秋早くから焼栗の定見世の出ることが、けそめた月の、夜長夜寒のおもいを一層ふかからしめた。――「仲見世」というところ....