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蛆
「蛆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蛆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
鼻を打つ。
あの虫のように、自分もほどなく死ななければならない。死ねば、どうせ
蛆《うじ》と蝿《はえ》とに、血も肉も食いつくされるからだである。ああこの自分が死....
「或る女」より 著者:有島武郎
かとも疑われた。死の影は最も濃く貞世の目と口のまわりに集まっていた。そこには死が
蛆《うじ》のようににょろにょろとうごめいているのが見えた。それよりも……それより....
「外科室」より 著者:泉鏡花
ほらとこうそこいらに、赤いものがちらつくが、どうだ。まるでそら、芥塵《ごみ》か、
蛆《うじ》が蠢《うご》めいているように見えるじゃあないか。ばかばかしい」 「これ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
東京の魚だもの、誰のを買ったって新鮮いのは無い。たまに盤台の中で刎ねてると思や、
蛆で蠢くか、そうでなければ比目魚の下に、手品の鰌が泳いでるんだと、母様がそう云っ....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
その臭気といったらない。 皆、ただ呼吸を詰めた。 婆々が、ずらずらとその
蛆の出そうな烏の死骸を、膝の前へ、蒼い頤の下へ引附けた。」 二十七....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
のトンチキ野郎奴。鼻っぴの、おでこの、ガニ股の、ブーブー野郎の、デクノ棒野郎の、
蛆虫野郎の、飴玉野郎の、――ソノ大間抜け、口惜しかったらここまでやってこい。甘酒....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
胸前に畝って、突当りに牙を噛合うごとき、小さな黒塀の忍び返の下に、溝から這上った
蛆の、醜い汚い筋をぶるぶると震わせながら、麸を嘗めるような形が、歴然と、自分が瞳....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
の事じゃい。」 「何が松露や。ほれ、こりゃ、破ると、中が真黒けで、うじゃうじゃと
蛆のような筋のある(狐の睾丸)じゃがいの。」 「旦那、眉毛に唾なとつけっしゃれい....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
拭が、」 と言いかけてしばらく黙った。 今年より卯月八日は吉日よ 尾長
蛆虫成敗ぞする 「ここに倒にはってあるのは、これは誰方がお書きなすった、」 「…....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
り、その何処より来りしやを知らず、忽然黒壁に住める人の眼界に顕れしが、殆ど湿地に
蛆を生ずる如く、自然に湧き出でたるやの観ありき。乞食僧はその年紀三十四五なるべし....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
こに留まることを欲しない。お前は人生に疲労と嫌悪とを吹き込むものだ。お前は田畑の
蛆虫のように、歓喜に満ちた穂をいぶかしそうに見詰めながら、絶望と苦悩のよだれを垂....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
れは猪だとか、狼だとか、狐だとか、頬白だとか、山雀だとか、鮟鱇だとか、鯖だとか、
蛆だとか、毛虫だとか、草だとか、竹だとか、松蕈だとか、湿地茸だとかおいいでなかっ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
てしまった。それから又皿の上の肉へナイフやフォオクを加えようとした。すると小さい
蛆が一匹静かに肉の縁に蠢めいていた。
蛆は僕の頭の中に Worm と云う英語を呼び....
「山吹」より 著者:泉鏡花
ばずにまだ居たな。獺が銜えたか、鼬が噛ったか知らねえが、わんぐりと歯形が残って、
蛆がついては堪らねえ。先刻も見ていりゃ、野良犬が嗅いで嗅放しで失せおった。犬も食....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
けになっているのは―― ――「ベッ、此奴等、血のついた屑切なんか取散らかして、
蛆虫め。――この霊地をどうする。」 自動車の助手に、松の枝を折らせ、掃立てさせ....