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蛮地
「蛮地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蛮地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
うんなん》、奥|四川《しせん》、青海《せいかい》、北チベットにまたがる、「西域夷
蛮地帯《シフアン・テリトリー》」通として至宝視されている男だ。
たとえば、フィ....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
きどき逸作も、かの女自身すら驚嘆することがあった。アメリカは、ほとんど沙漠の中の
蛮地のように遠く思え、欧洲はすぐ神戸の先に在るように親しげな話し振りをかの女はし....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
だよ。しかし、俺とその男のあいだには、かたい約束ができていた。いいか、俺はどんな
蛮地にいようとも、立派なドイツ国民として行動して見せるのだ」 この今様ロビンソ....
「わが町」より 著者:織田作之助
太田恭三郎はすすめたが、ダバオはモロ族やバゴボ族以外に住む者のないおそろしい
蛮地で、おまけにマラリヤのたちの悪さはベンゲット以上で、医者もいない。ダバオの麻....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
に成功するに至った延々何百|哩の鉄道は、長蛇の如く野を走り、山を貫き、昨日までの
蛮地は、かくして国富と変ったのであります」 重役の娘と、何時の間にか紳士のよう....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ないと覚悟して、つぶさにその事情を説明した。 彼の言うところに拠ると、先年かの
蛮地の奥へ米を売りに行ったときに、三尺の布と、幾|升の糧米と、一羽の赤い雄※と、....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
に怪しい点がないでもない。よほどの老年とみえながら、からだは甚だすこやかである。
蛮地の生まれとはいいながら、自分の歳を知らないという。殊に今夜のような事件が出来....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
上げたSPORTYも現れたりして、この「マルガリイダの家」は大いに色彩的な人生の
蛮地だった。もっとも、ときどき五時の決勝になって捻ったことを言い出す|解らねえ胡....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を差している。船頭二人はこの道の熟達者であるし、ことにムクという奴が、未知未開の
蛮地へ入り込んでは、必ずや人間以上の本能を発揮するに相違ない。たとえ鬼が出ようと....
「喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
区別する目標になる。そうして人間の生活程度が高ければ高いほど余計に煙を製造する。
蛮地では人煙が稀薄であり、聚落の上に煙の立つのは民の竈の賑わえる表徴である。現代....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
談をしようものと、往復二日の予定をもってドームの露営地を出発したところ、不案内の
蛮地であったがため予想外に日数がかかり、目指すビサンチン湾へ行き着いたのは実に五....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
はじめて終るはずの私の放浪が始まった。私は、地上を広く歩きまわり、旅人が無人境や
蛮地で出会うすべての辛苦に堪えた。自分がどうして生きてきたか、私は知らない。幾度....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
の二は、いわゆる歴史の黒幕に蔽われたる太古、ぼうとして知るべからざる時代に、今は
蛮地と云わるるアフリカ州の西岸、東に限りなき大沙漠を見渡すチュス付近に、古代の文....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
マラリアで死んじまったよ。ボクは、宇佐美ハチロウっていうんだよ」 五歳で、この
蛮地へきて孤独の身となるだけに、なかなか、ませてもいるし利発でもある。それから聴....
「近頃感じたこと」より 著者:小川未明
っているように見えたからでした。 昔、読んだスタンレーの探検記には、アフリカの
蛮地で兇猛なあり群に襲われることが書いてあった。たしかに、猛獣に襲われるより怖し....