蜂の子[語句情報] » 蜂の子

「蜂の子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蜂の子の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
岩石の間」より 著者:島崎藤村
なことをして蜂の巣の在所《ありか》を知ったことを思出した。彼は都会の人の知らない蜂の子のようなものを好んで食ったばかりでなく、田圃側に葉を垂れている「すいこぎ」....
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
人が一九三七年製の葡萄酒の盃をあげると、反対運動のように博士も盃をあげた。夫人が蜂の子をつまみあげて口にもってゆくと、博士もこれにならった。そしてその合間々々に....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
深い森林に住む野鳥を捕え、熊、鹿、猪などの野獣の肉を食い、谷間の土に巣をかける地蜂の子を賞美し、肴と言えば塩辛いさんまか、鰯か、一年に一度の塩鰤が膳につくのは年....
」より 著者:島崎藤村
お前さんに食べさせてもやりたいし、持たせてもやりたいと思って、今三人掛りで、この蜂の子を抜くところだ。見よや、これが巣だ。えらい大きな巣を作ったもんじゃないか」....
縮図」より 著者:徳田秋声
ね、行きましょうか。私も何かお土産を買いたいんですの。」 「罐詰でしたらかりんに蜂の子、それに高野豆腐だの氷餅だの。」 「ああ、そうそう。何でもいいわ。小豆なん....
採峰徘菌愚」より 著者:佐藤垢石
、一見は百聞に勝るというから、細かなことは現地において実演してみせるが、要するに蜂の子を採って、それを酒の肴にすることだ。 また、酒か? いや、酒はつけたり....
蜻蛉返り」より 著者:佐藤垢石
労する。うるか、惣太鰹の腸の叩き。まぐろのいすご、鱸の腹膜、このわた、からすみ、蜂の子、鮭の生卵、鰡の臍、岩魚の胃袋、河豚の白精など、舌に溶け込むようなおいしい....
ザザ虫の佃煮」より 著者:佐藤垢石
は、まるで無知というわけではないのだ。子供のときから、蝗はふんだんに食ってきた。蜂の子も珍重した。また赤蛙の照り焼きは、牛肉よりもおいしいと思ってきたのである。....
蛆の効用」より 著者:寺田寅彦
ある。これはかれらが腐肉や糞堆をその定住の楽土としているからであろう。形態的には蜂の子やまた蚕とも、それほどひどくちがって特別に先験的に憎むべく、いやしむべき素....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
舎のひろい床から、すこし汗ばんだ顔をして出て来た。 生徒たちは、そこを出ると、蜂の子のように帰って行った。すると一人の巫女が、 「禰宜さま。お通さまが、あちら....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
かかって来た賊の手から引っ奪くった刀があった。それで一人を浴びせ、一人を突くと、蜂の子の出るように、土匪はわれがちに土間の外へ跳び出した。 その群れへ、武蔵は....