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「蜿蜒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蜿蜒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
狂女」より 著者:秋田滋
が来たのだ。そして僕は窓から彼等の歩いてゆく姿を眺めていた。 普魯西兵の列は、蜿蜒として、果てしもなく続いた。どれを見てもみな同じように、例の普魯西の兵隊独特....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
て、欄干越しに窓の下方を見た。ああ、たしかに始まっていた。宇宙墓地の方に向って、蜿蜒と続いて流れ込んでいく夥しい棺桶の列と家具の流れ。そのあとにぽつんぽつんと、....
白妖」より 著者:大阪圭吉
S字型、C字型、U字型等々さまざまの曲線が無限の変化を見せて谷に面し山頂に沿って蜿蜒として走り続ける。 けれどもこの愉快な有料道路も、夜となってはほとんど見晴....
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
一、堕天女記 湯の町Kと、汀から十丁の沖合にある鵯島との間に、半ば朽ちた、粗末な木橋が蜿蜒と架っている。そして、土地ではその橋の名を、詩人青秋氏の称呼が始まりで、嘆き....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
これには、富有なケルミッシュが全資産を注ぎこみ、いよいよ準備成った翌年の三月、蜿蜒《えんえん》の車輛をつらねる探検隊が察緬《リーミエン》をでた。そこから大理《....
闇の絵巻」より 著者:梶井基次郎
いる。左手には溪の向こうを夜空を劃《くぎ》って爬虫《はちゅう》の背のような尾根が蜿蜒《えんえん》と匍《は》っている。黒ぐろとした杉林がパノラマのように廻《めぐ》....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
山の上へ登って湖水の形状とそれから小さな円い池の有様を見ますと、そのコンギュ湖の蜿蜒として西北に進んでかの円い形の池に臨んで居る有様はちょうど ような天然画の....
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
個のカリカチュアであった。削り落しやすい火山岩であるとはいえ、川を圧して聳え立つ蜿蜒《えんえん》たる大絶壁を、市九郎は、己一人の力で掘貫こうとするのであった。 ....
極楽」より 著者:菊池寛
大きい真紅や雪白の蓮華が、矗々と生えて居る。水に※んでは、金銀瑠璃玻璃の楼閣が、蜿蜒として連って居る。楼閣をめぐっては、珊瑚瑪瑙などの宝樹が、七重に並んで居る。....
天馬」より 著者:金史良
云った。―― 本町通りと云えば京城では一番繁華な内地人町(日本人町)で、それは蜿蜒《えんえん》と東西に細長く連なっている。ようやく廓の出口を捜し当て、そこから....
剣侠」より 著者:国枝史郎
後供は霞ひくなり加賀守 加賀金沢百万石の大名、前田侯などお通りの節には、行列蜿蜒数里に渡り、その後供など霞むほどであったが、この追分には必ず泊まり、泊まれば....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
の眼ばかりで手も足も力を失ってしまった。 一頭の大鹿を横に喰わえた一匹の蟒蛇が蜿蜒と目の前の雑草を二つに分けて沼の方へ駛っているではないか! 私の友達の山羊や....
蘆声」より 著者:幸田露伴
りに何があるでもない江戸がたの一曲湾なのであった。中川は四十九曲りといわれるほど蜿蜒屈曲して流れる川で、西袋は丁度西の方、即ち江戸の方面へ屈曲し込んで、それから....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
も知れない。蟠竜というのはこんなのだろう。これを見ると深山の断崖から、千仞の谷に蜿蜒としている老松を思い出すよ」と仰しゃるので、皆その大げさなのをおかしいとは思....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
、始終私たちを瞰下して、方幾里の空中を、支配する怖ろしい王さまででもあるように、蜿蜒と深谷を屏風立に截ち切っている、そうして肩から雲を吐く、雲は梢に支えられて、....