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蝕む
「蝕む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蝕むの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「マリア・バシュキルツェフの日記」より 著者:宮本百合子
の希望は思い切らなければならなかった。もうこの頃から、徐々に気付かれず彼女の命を
蝕む病の作業がはじまっていたのであったのであるが、マリアはそれを知らなかった。そ....
「働く婦人」より 著者:宮本百合子
つ子氏の調査が某新聞に発表されたとき、その第一の項には、工場の働きが若い女の体を
蝕むことの訴えがのせられていた。三年間ぐらいは、それまでの生活から貯えられていた....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
幸福にもすることが出来ず、自分の身を枯らす害虫に気づいていながら、それにわが身を
蝕むにまかせて諦めている男、その昇る太陽はこの男よりも物淋しいものを照さなかった....
「光は影を」より 著者:岸田国士
捨人のように消極的な調子で結んであるのは、なぜであろう? 業病は精神力をこうまで
蝕むものであろうか? 京野等志は、そんなことを考えながら、そこへ集まつている母....
「三国志」より 著者:吉川英治
いるのを目撃して、関羽は、非常なおどろきと狼狽をおぼえた。 「ああ、平和は雄志を
蝕む」 彼は、慨嘆した。 見まじきものを見たように関羽はあわてて後苑の梨畑か....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ならば、やはり同様に三筆四筆落して途中で止めた物が、幾つか束になったまま、長持の
蝕むに任せてあったということである。 それを、書画商の智恵で息子どのが、自分で....