蝦夷菊[語句情報] » 蝦夷菊

「蝦夷菊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蝦夷菊の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ようが御辛抱なさい、急いで立派な寺なぞ建てないで、と云って別を告げる。戸外に紫の蝦夷菊が咲いて居た。あとで聞けば、坊さんは越後者なる炭焼小屋の主人が招いたので、....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
虫喰《むしば》んで、床花瓶《とこばないけ》に投入れた二本三本《ふたもとみもと》の蝦夷菊《えぞぎく》は、うら枯れて枯葉がち。坐舗の一隅《いちぐう》を顧みると古びた....
人間腸詰」より 著者:夢野久作
ながら部屋の隅の巨大な銀色の花瓶の処へ来ました。それは人間ぐらいの大きさの花瓶に蝦夷菊の花を山盛りに挿したもので、四五人がかりでもドウかと思われるのをその紳士は....
斬られたさに」より 著者:夢野久作
座敷に案内した。 十畳と八畳の結構な二間に、備後表が青々して、一間半の畳床には蝦夷菊を盛上げた青磁の壺が据えてある。その向うに文晁の滝の大幅。黒ずんだ狩野派の....
半日ある記」より 著者:寺田寅彦
の木履カラつかせて出で立つ。近辺の寺々いずこも参詣人多く花屋の店頭黄なる赤き菊|蝦夷菊堆し。とある杉垣の内を覗けば立ち並ぶ墓碑|苔黒き中にまだ生々しき土饅頭一つ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
い、小綺麗な小間使お里の給仕で、朝昼兼帯の食事をし、青簾を背後に縁へ出て、百合と蝦夷菊との咲いている花壇を、浪之助はぼんやり眺めながら、昨日一日に起伏した事件を....