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螫
「螫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
螫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
。奉天《ほうてん》から北京《ペキン》へ来る途中、寝台車の南京虫《なんきんむし》に
螫《さ》された時のほかはいつも微笑を浮かべている。しかももう今は南京虫に二度と
螫....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
蜂の中へ突込《つッこ》んで、蜂を掴《つか》んで見せましょう。お手が障った所だけは
螫《さ》しましても痛みませぬ、竹箒《たけぼうき》で引払《ひっぱた》いては八方へ散....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
かには、蝎、南京虫、虱など、いずれも夜となく、昼となく、我々を悩ませました。蝎に
螫されると命を失うと云うので、虱や南京虫に無神経の苦力らも、蝎と聞くと顔の色を変....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
飯の前に登れるのだから面白い、夜は噴火口は赤くて物凄い、ときどき硫黄の臭いが鼻を
螫す。日の出前はなかなか寒い。 (一九二六・五・一) 北アルプス初登山 ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
入れてある革籠のなかから幾万匹の蜜蜂が飛び出した。その幾万匹が一度に群がって賊を
螫したので、かれらも狼狽した。ある者は体じゅうを
螫され、ある者は眼を突きつぶされ....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
其昔其川の傍の山崎村に棲《す》んで居た一夜庵《いちやあん》の宗鑑の膚《はだえ》を
螫《さ》して、そして宗鑑に瘧《おこり》をわずらわせ、それより近衛《このえ》公をし....
「連環記」より 著者:幸田露伴
犬に腿を咬まれて驚いたなどという下らない夢を見る人は、※めていても、蚤に猪の目を
螫されて騒ぐくらいの下らない人なのである。竜樹や観音に応対した夢を見たなどとは、....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
なくすべての生物を焼き殺すので、蠍が石の下にもぐり込んで気違いのようになって物を
螫したがっている時にでも、ラザルスは太陽のひかりを浴びたまま坐って動かず、灌木の....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
見廻すばかり。多磨太は藁草履の片足を脱いで、砂だらけなので毛脛を擦った。 「蚋が
螫す、蚋が
螫すわ。どうじゃ、歩き出そうでないか。堪らん、こりゃ、立っとッちゃあ埒....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
ぞっとした。 忽ち、チクリと右の手の甲が痛み出した。見ると毒虫にいつの間にやら
螫されていた。駕龍の中には妙なる名香さえ焚いてあるのだ。虫の入りようも無いものを....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
が変だと思ったから、お幸はお綾を促がして、ここを引下った。そうして植籠の蔭で蚊に
螫されるのを忍びながら、立聴きするを怠らなかった。 この間にお綾は裏口から河原....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
せんかねえ。」 「実はどういうんだか、今夜の雪は一片でも身体へ当るたびに、毒虫に
螫れるような気がするんです。」 と好個の男児何の事ぞ、あやかしの糸に纏われて、....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
目か眼の痛みも少し癒って参りました。これまでしばしば難儀の上に難儀を重ねて
が
螫すというような目ばかり見ましたが、これからとてもなおなおどういう難儀があるかわ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
た。
文官武官貴夫人が
参内すれば責められる。
お后さまでも宮女でも
ちくちく
螫される、かじられる。
押さえてぶつりと潰したり、
掻いたりしては相成らぬ。
己....
「世間師」より 著者:小栗風葉
なとこで寝るのに着物を着て寝る者があるもんですか。褌一筋だって、肌に着けてちゃ、
螫られて睡られやしない、素裸でなくっちゃ……」 なるほど、そう言われて気をつけ....