蟄居[語句情報] »
蟄居
「蟄居〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蟄居の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
にして、鼻であしらい、ことごとに反撥したので、東条軍閥に睨まれて、軽井沢の山荘に
蟄居し、まったく政界より没落していた。 ところが、終戦直前のある日、鉱三崇拝者....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
免れざるなり。いわんや北国の雪《せつ》世界はほとんど一年の三分の一を白き物の中に
蟄居《ちっきょ》せざるべからざるや。ことに時候を論ぜざる見世物と異なりて、渠の演....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
を失ったのは泰親である。彼は公《おおやけ》の沙汰を待たないで、自分から門を閉じて
蟄居《ちっきょ》した。 泰親はもともと雨を祈ったのではない。したがって玉藻との....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
う》にでもおはいりかい」 「いいや、家老がね、なんの罪もねえのに、もう三月ごし、
蟄居《ちっきょ》閉門を食っているというんですよ。しゃべらしたなあの門番のじいやだ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
んだ末、芸術よりほかに私の行く道はないといって、学校も欠席して毎日下宿屋の二階に
蟄居して一生懸命創作をした。そして二百枚も書いた。私はこの頃世に出る片々たる短篇....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
していたかというのに、彼は常住の地下室から、更に百メートルも下った別室に避難し、
蟄居してしまった。それは、二十六日の爆弾の破片から身をのがれるためではなくて、博....
「鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
別の御賞美をたまわっているだけに、かれの責任はいよいよ重いことになって、軽くても
蟄居閉門、あるいは切腹――将軍家からはさすがに切腹しろとは申渡すまいが、当人自身....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
処にだっても、砲弾の殻一つ落ちなかったのではございませんか。その安逸が――いいえ
蟄居とでも申しましょうか。それが、貴方に海の憬れを駆り立て、硝烟の誘いに耐えきれ....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
最も心痛した。そこで幕臣第一の新知識、勝安房守に一切を任せ、自身は上野の寛永寺に
蟄居し、恭順の意を示すことにした。 初名|義邦、通称は麟太郎、後|安芳、号は海....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
決算は書くが生活の可能性は書かず、末期の眼を目標とする日本の伝統的小説の限界内に
蟄居している彼こそ、文壇的ではあるまいか。 私は年少の頃から劇作家を志し、小説....
「巣離れの鮒」より 著者:佐藤垢石
か堤防の陽だまりに霜ぶくれの土を破って芝芽が小さな丸い頭を突き出すと魚も永い冬の
蟄居から眼ざめるのである。鮒は晩秋水の深みに落ち込んで腐れ藻の下や泥底に集団をな....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
に飛揚し、自在に囀り、食を求めて啄み、時を得て鳴き、いまだ人間の捕らえて、籠裏に
蟄居せしむるがごときことあるを知らざりき。不幸ひとたび先生の網羅にかかり、この籠....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
僧を奥さんにせられた事からやはりチベットでもそれが幾分か攻撃の種になって、自然|
蟄居しなければならんようになったと言う。
もしこの方がチベットで政治を執るよう....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
の現れであると吹き込んだのである。そこでエリザベスはドロシイ夫人に、一室のなかに
蟄居するよう命じた。はやくも事情を悟ったエセックスは、なんの躊躇もしなかった。夕....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
立てた人、後義満のとき、離間の策を弄した人があるらしく、義満の不興を蒙り、遠江に
蟄居して他意のないことを示した。称光天皇の応永二十七年九十六で世を去った。冷泉為....