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「蟾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蟾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人間失格」より 著者:太宰治
大きな悲哀《かなしみ》もやって来《こ》ないのだ。 ゆくてを塞《ふさ》ぐ邪魔な石を蜍《ひきがえる》は廻って通る。 上田敏訳のギイ・シャルル・クロオとかいうひ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
人に見せて誇る性がある、お手の物たる鼠ばかりでなく猫は蝙蝠《こうもり》、梟は蛇や蜍《ひきがえる》など持ち来り予の前へさらけ出し誠に迷惑な事度々だった。故セント....
ネギ一束」より 著者:田山花袋
な身体もどうすることもできず、憐みの眼と情けの手に、乞食にひとしい月日を送った。蜍のような大きい腹を抱えて、顔は青く心は暗く、初産の恐怖は絶えず胸を痛めて、何....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
岩瀬肥後は名を忠震といい、字を百里という。築地に屋敷があったところから、号を州とも言っている。心あるものはいずれもこの人を推して、幕府内での第一の人とした....
十二支考」より 著者:南方熊楠
竜眼を血の湖に比べ、欧州の諸談皆竜眼の恐ろしきを言い、殊に毒竜バシリスクは、蛇や蜍《ひきがえる》が、鶏卵を伏せ孵《かえ》して生ずる所で、眼に大毒あり能く他の生....
十二支考」より 著者:南方熊楠
はこれら皆|空《うそ》で実は尊者の名パトリックをノールス人がパド・レクルと間違え蜍《ひき》を(パダ)逐《お》い去る(レカ)と解した。蜍を欧人は大変な毒物とす....
見えざる敵」より 著者:海野十三
ャが横合からとんできて、博士の身体をつきとばした。 博士はドンと尻餅をついて、蜍のように膨れた。 「ど、どっこい、そうはゆかないよ。見かけに似合わず、太い先....
鵞鳥」より 著者:幸田露伴
ほど火の芸術は厄介だ。しかしここに道はある。どうです、鵞鳥だからむずかしいので。蜍と改題してはどんなものでしょう。昔から蜍の鋳物は古い水滴などにもある。醜い....
朱欒の花のさく頃」より 著者:杉田久女
迄しか住まない其家の事も只母からきくのみで四十年来一度も遊んだ事はないが、兄|月が十数年前、平の馬場の其家をたずねて見たところ今は教会に成っていて家も門もそっ....
環礁」より 著者:中島敦
々に永くいると、美の規準について、多分に懐疑的になるそうだ。ヴォルテエル曰く、「蜍《ひきがえる》に向って、美とは何ぞやと尋ねて見よ。蜍は答えるに違いない。美....
日和下駄」より 著者:永井荷風
がやはり急な崖になっていて、物凄いばかりの竹藪《たけやぶ》であった。この竹藪には蜍《ひきがえる》のいた事これまた気味悪いほどで、夏の夕《ゆうべ》まだ夜にならな....
くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
たはタニククを、時に或いは「谷蟆」または「谷潜」などと書いたが為に、一般にこれは蜍の事であると解している。自分もさきに少彦名命の研究を書いた時には、その解釈の....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
うに 洞穴や岩の隙間にもぐっているのです。 なぜ陰気な苔や雫の垂る石に附いた餌を蜍のように啜っているのです。 結構な、甘ったるい暇の潰しようだ。 あなたの体か....
蝦蟇を食べた話」より 著者:北大路魯山人
ょうど中間のところに点々と穴がある。 確か中国の『随園食単』かなにかに、洞窟のは美味であるとあったと思うが、私はこの穴を見て、 「ハハア、これだな」 と、....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
岩崩れがして凄じくのり出した崕の下をソッと通り抜けて明るみに出る、這いつくばった蜍のような岩が二つ三つ重り合って、狭い谷の口を遮っている。其根方に荷を卸して長....