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「蠢動〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蠢動の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
皮膚と心」より 著者:太宰治
のようで、もりあがっては崩れ、もりあがっては崩れ、果しなく鈍く蛇動《だどう》し、蠢動《しゅんどう》するばかりで、苦しさが、ぎりぎり結着の頂点まで突き上げてしまう....
錯覚した小宇宙」より 著者:辻潤
標準にしてすべてを解釈することはまったく浅薄にしてとるに足りない。一滴の水の中に蠢動するアミーバにはアミーバの世界しかわからないと同様、人間を万物の霊長などと自....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
前には、チェリーの真白なムチムチ肥えた露わな二の腕が、それ自身一つの生物のように蠢動していた。 「いいから、行ってこいよ」帆村は云った。 「じゃ、ちょっと――」....
志賀直哉氏の作品」より 著者:菊池寛
義の合言葉や旗印が山の如く積まれてありながら、少しく奥を探ると、醜いエゴイズムが蠢動しているような作品も決して少くはない。が、志賀氏は、その創作の上において決し....
座興に非ず」より 著者:太宰治
駅まで来てしまった。無数の黒色の旅客が、この東洋一とやらの大停車場に、うようよ、蠢動していた。すべて廃残の身の上である。私には、そう思われて仕方がない。ここは東....
映画の世界像」より 著者:寺田寅彦
ように思っている植物が怪獣のごとくあばれ回ったり、世界的|拳闘選手が芋虫のように蠢動するのを見ることもできるのである。 時間の尺度の変更は、同時に、時間を含む....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
存在を完全ならしめ、かつ存在の意識を確実にせんがために、表現の道を外に求めて内に蠢動する。いうまでもなく芸術と哲学とはこの内部生命の表現的努力の二途である。ただ....
白痴」より 著者:坂口安吾
るものはただ無自覚な肉慾のみ。それはあらゆる時間に目覚め、虫の如き倦まざる反応の蠢動を起す肉体であるにすぎない。 も一つの顔、それは折から伊沢の休みの日であっ....
自然現象の予報」より 著者:寺田寅彦
のごとき眼より見れば、実際の等温線は大小無数の波状凹凸を有しこれが寸時も止まらず蠢動せるものと考えざるべからず。かくのごとき状態を精密に予報する事はいかなる気む....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
、夢の中をさ迷い歩くような惑乱を感じていたのである。わけても、その得体の知れない蠢動のようなものは、四人の盲人に、はっきりと認められた。 その四人は、一人とし....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
が訪れた。 と云うのは、この事件を機会にして、再び、彼を悩ましつづける、神経の蠢動が起りはじめたからだ。 それは、また例の鏡像で、はからずもその特徴を、自分....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
ばきも鮮なものだ。……いい度胸だな。感心な度胸だ。人は須くこうなくてはならない。蠢動するばかりが能ではない。亢奮するばかりが能ではない。宇内の大勢も心得ず、人斬....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
の詮議に着手したが、いわゆる今日での科学的捜索それを尊ぶ彼であったから、むやみと蠢動するのをやめ、理詰めで行こうと決心した。 「賊と鼓? 賊と鼓? この二つの間....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
間が物騒であろうと、変な人間がはいり込んで来ようと、そうしてその変な人間たちが、蠢動妄動をしようとも、この私の眼の黒いうちは、だいそれた仕事はさせませんて。とい....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
工作を加え始めた。これよりさきチロオヌは、九月の休戦に自ら終止符を打って、抗英の蠢動を開始していた。なにか対策が必要とあって、エリザベスは最初から意中にあったマ....