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血塊
「血塊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
血塊の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
、腹の中の子供を引ずり出した。残月の光りに照らされた子供はまだ模糊《もこ》とした
血塊《けっかい》だった。が、その
血塊は身震《みぶる》いをすると、突然人間のように....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
私の手を遮ってしまうので、結局宿命の、行くがままに任せて――。死児を生み、半児の
血塊《ちだま》を絶えず泣かしつづけて――。ああほんとうに、あの鬼猪殃々《おにやえ....
「癩」より 著者:島木健作
余勢で積み重ねた封筒の上に吐き出されたのであった。 血だ。 ぼったりと大きな
血塊が封筒のまん中に落ち、飛沫《ひまつ》がその周囲に霧のように飛んだ。それはほと....
「振動魔」より 著者:海野十三
着した掌を、グッと顔の前にさしだした。うわッ、血だ、血、血、ぬらぬらとした真紅な
血塊だった。 柿丘はその場に崩れるように膝を折って倒れると、意識を失ってしまっ....
「東京八景」より 著者:太宰治
悪かった。腹膜に膿が流出していて、困難な手術になった。手術して二日目に、咽喉から
血塊がいくらでも出た。前からの胸部の病気が、急に表面にあらわれて来たのであった。....
「苦しく美しき夏」より 著者:原民喜
聞いた。何か絶え入るばかりの心細さが、彼を寝床から跳ね起させた。はじめて視るその
血塊は美しい色をしていた。それは眼のなかで燃えるようにおもえた。妻はぐったりして....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
り廻って汗をかいてるところへ傷口の血が全身に滲んで、この時はもう牛は一つの巨大な
血塊に見える。 真赤な丘だ。 じっと立ち停まって喘いでる。 その影が砂に黒....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
やした。しからばこれにて、ハイハイご免。ありゃありゃありゃありゃ、お隠れお隠れ、
血塊々々、ソレソレソレソレ」 ふたたびスッポリ桶を冠るとやがてユサユサと歩き出....
「盗難」より 著者:佐藤垢石
もない話だ。だが妊娠でないとすると、下腹の膨れものとあっては重大事だぞ。世にいう
血塊というやつかも知れない。早く、婦人科の医者のところへ飛んで行って診て貰え。こ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
絵看板の、「これはこのたび奥州|気仙沼は何とか何兵衛の女房お何が生み落しましたる
血塊童子でござい。代は見てのお戻り、しゃい、いらっしゃい。カチカチイ。」 日本....