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血塗れ
「血塗れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
血塗れの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「牡丹灯記」より 著者:田中貢太郎
蓮の三人の邪鬼に枷鎖をして伴れてきた。 武士は邪鬼にそれぞれ鞭を加えた。邪鬼は
血塗れになって叫んだ。 「その方どもは、何故に人民を悩ますのじゃ」 道人はまず....
「縮図」より 著者:徳田秋声
が、またしても利根の河原で馬を駆り、石に躓いて馬が前※骨から頬へかけて、肉が爛れ
血塗れになっていた。銀子もその出来事は妹のたどたどしい手紙で知っていたが、親爺に....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
祖たち……過去の胎児自身が、隠し了せた犯罪や、人に云い得ずに死んだ秘密の数々が、
血塗れの顔や、首無しの胴体や、井戸の中の髪毛、天井裏の短刀、沼の底の白骨なぞいう....
「戦場」より 著者:夢野久作
はそれから何か考え考え腰を曲めて、携帯電燈の射光を候補生の眼に向けた。私と同様に
血塗れになった、拇指と食指で、真白に貧血している候補生の眼瞼を引っぱり開けた。繰....
「絵姿」より 著者:渡辺温
覗き込む水夫の顔を見た。云い知れぬ恐怖が彼の心臓をつかんだ。その上また彼が犯した
血塗れの罪悪は暗い部屋の隅から絶えず彼に呼びかけ、彼を嘲笑い、そして氷のような指....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
と動かずに横っていた。けれどもその殺人者は彼のことを少しも気にかけないで、その間
血塗れのナイフを一把の草で拭いていた。その他のものは何の変化もなく、太陽は、湯気....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
、貴島らの二人は、その後方へつづいた。
小太郎は、伝教大師の石室を、背にして、
血塗れになっていた。半顔は、人の血と、己の血で染まっていたし、着物は、切り裂かれ....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
で来たんです。御覧なさい、着物に血が着いている。手にも着いてるでしょう。帯の間に
血塗れの剃刀が手拭に巻いて捻込んであります」 「うーむ」 今度は大竜院泰雲が唸....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
達ァ為ってるんだッ』 見ればジルベールとボーシュレーとは組んづ解れつの大挌闘、
血塗れになって床の上を上になり下になって転々しておる彼等の衣服は血だらけだ。ルパ....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
野獣が喘ぐようである。松明をそなたへ向けて窺うと、岩を枕に唸っているのは、半面|
血塗れの怪しい者であった。人か猿か判らぬ。「これが所謂山※の傷ける顔は更に微塵に....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
元気なのは古尾野、調両教授のみ。他はほとんど皆姿を見ず、ただ北村、長谷川両教授が
血塗れになって医員から助けられつつ、裏の山へ登られたのを見かけたのみだという。学....
「牡丹灯籠 牡丹灯記」より 著者:田中貢太郎
卿、金蓮の邪鬼に枷鎖をして伴れて来た。 武士は邪鬼にそれぞれ鞭を加えた。邪鬼は
血塗れになって叫んだ。 「その方どもは、何故に人民を悩ますのじゃ」 道人は先ず....