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「血止〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

血止の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
か》みついたり、悲鳴を挙げたりしたのに違いない。しかし鼻を削ぎ落した後《のち》、血止めの薬をつけてやった行商人や僕などには泣いて感謝したことも事実である。 賢....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ねじ廻すようにくるくると身体を廻しながら、素早く白三尺をほどいて取って、当座の血止めにキリキリと傷口を、それもごく馴れた手つきで敏捷に結わえました。その江戸前....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
じても、それが恐ろしい大事になろうとは、本人もお此も更に思い付かなかった。なにか血止めの薬でも塗って置いて、その場はそのままに済ませたのであるが、あいにくその針....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
怪我をしながら、家《うち》へ帰って来た時には血も大抵止まっていたというが、どこで血止めの手当てをして来なっすたえ」 「浅草へまいりましてから、駕籠屋にたのんで水....
わが町」より 著者:織田作之助
で来ると、 「次郎ぼん、次郎ぼん」 うしろから呼び止められた。 振り向くと、血止めの紙きれをじじむさく鼻の穴に詰めこんだ他吉が空の俥をひきながら、にこにこ笑....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
目へはいった証拠で、切られた切り口から熱い血が左右の脇腹へ滴たり落ちたが、すぐに血止めで凝らされた。 「鋸を!」 と老人は云った。と、乙女の手が卓の上から、そ....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
した。 団十郎も手を貸し、吉三郎のおいらんも片袖をくわえて甲斐々々しく手伝い、血止めの手当が出来てしまうと、下総十五郎がまたすばらしく精悍なのです。 「焼酎が....
空中漂流一週間」より 著者:海野十三
くって白い襯衣をひきだし、べりべりと破った。彼はその破った襯衣で、傷口をおさえて血止めにした。なお彼の眼と手とは動いて、そこにあったズックの布を引裂きにかかった....
恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
ないにしても、流れる生血を鼻紙に染めることになったので、茶屋の女房は近所の薬屋へ血止めの薬を買いに行った。人違いか気違いか、なにしろ飛んだ災難に逢ったとお杉は嘆....
南国太平記」より 著者:直木三十五
、肩でしながら 「今――今、一合せ」 そういって、刀を地へ置いて、用意していた血止め、繃帯を、懐から取出した。そして、静かに、顫える手で、膝を探って行くと、べ....
妖怪学一斑」より 著者:井上円了
。これもずいぶんたくさん集めてありますが、今その一、二を挙げてみますると、第一、血止めのマジナイ。これはなんの草でもよろしい、ある草を三品集めて、その草をもって....
拷問の話」より 著者:岡本綺堂
ると大抵の者は皮肉が破れて血が流れる。牢屋の下男はすぐにその疵口に砂をふりかけて血止めをして、打役の者がまたもや打ちつづけるのである。いかに強情我慢の者でも二百....
勝ずば」より 著者:岡本かの子
するままになり、やがて素直に体を横にされた。 看護婦がゴム管で政枝の腕を緊めて血止めをすると、医師は急いで傷口の縫い合せにとりかかった。流石に痛いとみえて政枝....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
。とにかく今この下の町へ爆弾が落ちたら、理屈も議論もなか。すぐ飛びだしていって、血止めをせにゃならん。僕は最後まで僕の本分を尽くすばい」藤本が決然といい放った。....
わが町」より 著者:織田作之助
まで来ると、 「次郎ぼん、次郎ぼん。」 うしろから呼びとめられた。振り向くと、血止めの紙きれをじじむさく鼻の穴に詰め込んだ他吉が、空の俥をひきながらにこにこ笑....