血気盛り[語句情報] » 血気盛り

「血気盛り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

血気盛りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
ち上がるべき英国風の小やかましい検疫もあっさり済んで放蕩者《ほうとうもの》らしい血気盛りな検疫官は、船に来てから二時間そこそこできげんよく帰って行く事になった。....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
、逗留客は奥の客便所へゆくことを嫌って、宿の者の便所へかようことにしたが、根津は血気盛りといい、且は武士という身分の手前、自分だけは相変らず奥の便所へ通っている....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
もののないうちに、警察界を引退した人だが、当時は大学を出て五、六年の三十二三歳の血気盛りで、こうと思えば貫かぬ事のない時代だった。 「そう云う奴は君」 暫くし....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
を乗組員として世界週航を企て申すべく候。その節はこのシドニーにも来て、何十年|前血気盛りの海軍少尉の夢を白髪の浪さんに話し申すべく候(下略) シドニーにて ....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
八十の坂を越しているが、能に入ったのが六十歳だから能楽の弟子としてはまだ二十歳の血気盛りのつもりでいる。なまけてはいられぬと思うが、何しろ年で、鼓が肩の上でコロ....
天馬」より 著者:金史良
、恰《まる》で人を食ったようににたにた嗤《わら》ってばかりいたものだ。一瞬間若い血気盛りの評論家李明植の鋭い視線とかち合ったことを覚えている。彼は思わずその時ぎ....
少年と海」より 著者:加能作次郎
な、そして物凄い光景を思い出し話して聞かせました。その時為吉の父親は、二十七八の血気盛りの勇敢な漁夫で、ある漁船の船頭をしていたのでした。そして県庁から、人の生....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
だらけのからだの一部であろうはずがない。しかし菓子屋の職人の話では、唄の声は若い血気盛りの女性の喉から出るものでもないらしい。わたしはそれを贔屓眼に見て、これは....
砂漠の情熱」より 著者:豊島与志雄
この冷血で無節操で無性格な男は、常に疑惧と嫌悪との対象となり得る。 三十幾歳の血気盛りなるべき頃からして既に彼は――ツワイクの描くところに依れば――殆ど亡霊の....
文学以前」より 著者:豊島与志雄
数の手兵を率いて疾駆していた頃の話である。 当時、イブン・サウドは三十三四歳の血気盛り、出没自在を極め、幾度か危険に瀕しても屈しなかった。強大なアジマン族が四....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
朽ちた老人が、ぼんやりと椅子に腰をかけていねむりをしているのが出ています。そして血気盛りの若者たちが瞬間の後に襲って来る一家の不幸を知らずに笑い興じている時、そ....
深川女房」より 著者:小栗風葉
る顔を悲しそうに蹙めながら、そっと腰の周囲をさすっているところは男前も何もない、血気盛りであるだけかえってみじめが深い。 差し向って坐ったお光は、「私の留守に....
おせん」より 著者:邦枝完二
知るも知らぬも、噂の花は咲き放題、かぎ屋のおせんならでは、夜も日も明けぬ煩悩は、血気盛りの若衆ばかりではないらしく、何ひとつ心願なんぞのありそうもない、五十を越....
酒徒漂泊」より 著者:佐藤垢石
君よろしいか』 『よかろう』 銀平は即座に答えたが、私は黙っていた。五合の飯を血気盛りの三人で食べたのであるから、それは大蛇が蚊をのんだようなものだ。さっぱり....
温泉雑記」より 著者:岡本綺堂
来、逗留客は奥の客便所へゆくことを嫌って、宿の者の便所へ通うことにしたが、根津は血気盛りといい、かつは武士という身分の手前、自分だけは相変らず奥の便所へ通ってい....