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「血清〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

血清の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
は父の亡《な》くなる何年前かに実扶的里亜《ジフテリア》で死んでしまった。その頃は血清注射がまだ発明されない時分だったので、治療も大変に困難だったのだろう。僕は固....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の周期性等が彼の興味を引いた。その外にも生理学方面における定量的物理化学の応用、血清療法の理論及び実験的研究などもある。思うに彼は学界における一つの彗星のような....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
その円の周囲には、短い線条が百足の足のような形で群生している。創口には、黄ばんだ血清が滲み出ているのみであるが、そういう更年期婦人の荒れ果てた皮膚に這いずってい....
恋愛曲線」より 著者:小酒井不木
ては動けない。そこで通常この液の中へ、エネルギーの源即ち心臓の食物として、少量の血清アルブミンか又は葡萄糖を加えると、心臓は長い間搏動を続けるのである。一番よい....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
はよく親戚に来るついでに遊びに来た。親戚の家の飼犬に噛まれて、用心の為数週間芝の血清注射に通うたなぞ云って居た。君はまた余に惺々暁斎の画譜二巻を呉れた。惺々暁斎....
バルザックについてのノート」より 著者:宮本百合子
、今日の歴史の中に生きているという事実によって、例えばエールリッヒが、ジフテリア血清の最初の注射のために闘った対立に高貴なものを感じとり、自分のうちなるささやか....
青草」より 著者:十一谷義三郎
幸福であった。 ある日兄は少し興奮して弟を研究所へ引張っていった。トリキナ病の血清注射の研究に使われる鼠や鶏の肝臓で何カ月も飼養されてるイモリがガサガサと音を....
血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
せられて、その第一の権威者なのである。人間の血液が、そのうちに含まれている血球と血清の性質によって、A、B、O、ABの四型に分類されることは、最早動かすべからざ....
話の種」より 著者:寺田寅彦
『東京朝日新聞』) 九 心臓の鼓動 犢から取った血清を水に浸しておくとその中の塩分がだんだんに脱けて来る。遂に〇・六プロセントく....
民族の血管」より 著者:中井正一
うに、それは老廃したものをそこに止めてはならない。 過去の文化遺産も常に新しい血清によって鍛えられて、より高い文化抵抗素として、書架の上に並ばなければならない....
髭の謎」より 著者:小酒井不木
中に、人間の血と混じると白い沈澱を起こすものが生じますから、その兎の血を取って、血清を分け、腐らぬようにガラス管の中へ保存したものです。 私はまず、ガラスの皿....
食道楽」より 著者:村井弦斎
。鰻の毒質は蝮蛇《まむし》の毒質と類似している。亜米利加《あめりか》の医者は鰻の血清を取って蝮蛇に咬《か》まれた人の毒を療治するそうだが好結果らしいというね」大....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
た山田先生と辻田君とが、風を入れて休んでいた。二人はこれから東京の伝染病研究所へ血清製造法を習いに出張するところだった。いよいよ長崎籠城の日が近まり、こんな方面....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
それを知らせる肉体機構の妙用で、いわば警報器です。 私たちは、種痘や、チブスの血清注射によって一部の肉体の犠牲を、故意に要求し、全肉体の健康の冒されるのを防ぐ....
食道楽」より 著者:村井弦斎
めて純良牛乳ばかりを世人《せじん》に安く供給することあだかも痘苗《とうびょう》や血清《けっせい》の如くしなければなりますまい。煙草《たばこ》を官業にするのしない....