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「血漿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

血漿の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
原爆詩集」より 著者:峠三吉
れようとしている灯 ぶちまけられた泡沫の灯 慄える灯 瀕死の灯 一刻ずつ一刻ずつ血漿を曳き這いずり いまもあの日から遠ざかりながら 何処ともなくいざり寄るひろし....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
君は気がつかんかね。こりゃ、とてもひどい出血なんだぜ。ところが、浮いているのは、血漿や脂肪だけで、肝腎|要の血が、この水の中にどうしても見出せないのだ。屍体には....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
居士の行衣にある瓢箪形の血痕と、浄善の襟に散っている二つを比較してみると、片方は血漿が黄色く滲み出ていてあの形を作っている。所が、この屍体になると、それが全く見....
新案探偵法」より 著者:小酒井不木
ります。普通の人ならば例えば血液の一立方センチメートルの目方をはかり、それから、血漿と血球との割合を計算し、それによって血球一個の目方を算出するのですが、鯉坂君....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
。 彼の手にはいつか、二つの剣が持たれていた。右手の大刀は血ぬられて柄糸も拳も血漿で鮮紅に染まり、左の小剣はまだ切ッ先がすこし脂に曇っているだけで、まだ幾人か....
三国志」より 著者:吉川英治
人影のうえに、城壁の上から、二箇の人間が飛んできた。もちろん、投げ落された人間も血漿の粉になり、下になった人間も、肉餅のように圧しつぶされた。 物音に、望楼の....
三国志」より 著者:吉川英治
をあらわして、 「先頃、使いの口上で、満城を血にせんといったのは、さては、寄手の血漿をもって彩ることでありしか。いや見事見事。ご苦労ご苦労」と、からかった。 ....
三国志」より 著者:吉川英治
は瘡を切開しにかかった。下に置いた銀盆に血は満ち溢れ、華陀の両手もその刀もすべて血漿にまみれた。その上、臂の骨を鋭利な刃ものでガリガリ削るのであった。関羽は依然....
銀河まつり」より 著者:吉川英治
だった。二つに割ってみれば、ちょうど人間の脳を解剖してみたと同じに、大脳や小脳や血漿や細胞や、微妙な物体の機構がくるんであるのだった。誰がこれを生き物でないとい....