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「血腥い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

血腥いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
を占めていたではないか。こうして、幾つかの因子を排列しているうちに、法水は噴っと血腥いような矢叫びを、自分の呼吸の中に感じたのであった。しかし、召使に燭台を用意....
心臓盗難」より 著者:海野十三
んや、言葉じゃ“心を盗む”とか、“心臓を自分の所有にする”とかいうが、ほんものの血腥い心臓を盗んだって、なんにもならんじゃないか」 記者たちは笑いながら散って....
大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
この怪物団とは、火星の一隊であることにまちがいはない。 月世界のうえにまたもや血腥い事件がもちあがったのである。辻中佐はじめ、アシビキ号の乗組員たちは、底しれ....
人造人間事件」より 著者:海野十三
大きな不吉が存在しているものだ。帆村はそれを思ってドキンとした。 (――なにか、血腥い事件が起ったのだろう。殺人事件か、それとも戦争か) さっき喫茶店リラで、....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
悪甘い匂と言ったら。 夜深しに汗ばんで、蒸々して、咽喉の乾いた処へ、その匂い。血腥いより堪りかねて、縁側を開けて、私が一番に庭へ出ると、皆も跣足で飛下りた。 ....
小公女」より 著者:菊池寛
脱いで、夜具にくるまるから。」 セエラは寝台の上で肩を夜具に包み、膝を抱えて、血腥いフランス革命の話を始めました。アアミンガアドは眼を見張り、固唾をのんで耳を....
梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
扇を持って出て、毎晩舞台を叩きこわしたそうだが、そんな殺伐なことがまだ戦国時代の血腥い風の脱け切らぬ江戸ッ子の嗜好に投じて、遂には市川流の荒事という独特な芸術を....
甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
奉仰り、西郷|吉之助を大参謀とし、東海道から、江戸へ征込んで来ることだのという、血腥い事件も、ここ植甚の庭にいれば、他事のようにしか感じられないほど、閑寂であっ....
巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
の具合を話し合う。それが次のはやり唄を作る作者の参考にもなる。彼等は繩張のことで血腥い喧嘩もよくする。 はやり唄は場末の家の建壊しの跡などへ手風琴鳴しを一人連....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
ながら、松浦頼母の横手から、主税の挙動を窺っていた。 部屋の気勢は殺気を帯び、血腥い事件の起こる前の、息詰るような静寂にあった。 「そうか」と頼母はやがて云っ....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
る両眼、唇の緩やかな歪みなどを見ると、そこから漲り溢れて来る異様なムードは、この血腥い情景を瞬間忘却させてしまい、それはてっきり、歓喜とか憧憬とか云ったら似付か....
番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
筈はござりませぬ」 白柄組の屋敷奉公にだんだん馴れて、おとなしい娘もこの頃では血腥い喧嘩沙汰を犬の咬み合ほどにも思っていないらしかった。その落着きすました顔付....
雪柳」より 著者:泉鏡花
まま突落されたように出た処は、さいわい畜生道でも魔界でもない。賑かな明い通りで、血腥いかわりに、おでんの香が芬とした。もう一軒、鮨の酢が鼻をついた。真中に鳥居が....
「エタ」名義考」より 著者:喜田貞吉
や皮に触れたものをお嫌いになるという筈はない。仏法が我が国に伝わり、殺生を忌み、血腥い事を嫌う様になっては、すでに大宝令にも斎の間臨時に肉を避けるという事もあっ....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
のかもしれません。しかるに仏教徒は肉食を忌むことの宣伝として、肉を喰った者はその血腥い気が身体に残るから、神様に近づくことはできないといい出したのです。のみなら....