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衆俗
「衆俗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
衆俗の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女の決闘」より 著者:太宰治
く書いて在る。かえって、漱石のほうが退屈である。鴎外を難解な、深遠のものとして、
衆俗のむやみに触れるべからずと、いかめしい禁札を張り出したのは、れいの「勉強いた....
「草枕」より 著者:夏目漱石
術家と呼んでもよかろう。 この故《ゆえ》に天然《てんねん》にあれ、人事にあれ、
衆俗《しゅうぞく》の辟易《へきえき》して近づきがたしとなすところにおいて、芸術家....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
道を開通し完全に危険を去り此の間四里且つ蒲田温泉へは半里の栃尾迄自動車の便あれば
衆俗をはなれし山境蒲田に第一歩を印せられて諸峰の嶮を探ぐるも意義ある事と存候、想....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
、緞子を装うて、伽藍に処すること、高家諸侯の如く、あるいは仏菩薩の玄関番として、
衆俗を、受附で威張って追払うようなのが少くない。 そんなのは、僧侶なんど、われ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
きんがための犠牲に使われ、ダシに使われているのだ、英雄豪傑なんていうものと、愚民
衆俗というやつの関係が、いつもそれなんでね。要するに人間というやつは、自分たちの....
「馬琴の小説とその当時の実社会」より 著者:幸田露伴
だの三馬だの一九だのという人々は即ち並行線的作者で、その思想も感情も趣味も当時の
衆俗と殆ど同じなのであり、したがってその著作は実社会をそっくり写したような訳合に....
「正に芸術の試煉期」より 著者:小川未明
業者の生活に分裂を来たし脅威することゝなった。出版圏内の限られたことと、この際、
衆俗の意嚮と趣味を無視することのできない資本主義から、ます/\作品の商品化をよぎ....
「ラスキンの言葉」より 著者:小川未明
あるか、ということである。孤行高しとすることこそ、芸術家の面目でなければならぬ、
衆俗に妥協し、資本力の前に膝を屈した徒の如きは、表面いかに、真摯を装うことありと....