衆寡[語句情報] » 衆寡

「衆寡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

衆寡の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
おうと、余一人はやはり昔の通り是公是公と呼《よ》び棄《す》てにしたかったんだが、衆寡敵《しゅうかてき》せず、やむをえず、せっかくの友達を、他人扱いにして五十日間....
厳島合戦」より 著者:菊池寛
吉川勢殆んど危かったのを、熊谷伊豆守信直等|馳合せて、其の急を救ったので、弘中|衆寡敵せず、滝小路の民家に火を放って、弥山道の大聖院に引あげた。吉川勢は、其の火....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
て自ら天下を平定しようと考えて居ます処、義元横暴にして来り侵して居ます。敵味方の衆寡はあだかも蟷螂の車轍に当る如く、蚊子の鉄牛を咬むが如きものがあります。願わく....
碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
、さすがに屈せず屍を踏んで城壁を攀じる。日本軍刀槍を揮って防戦に努めるけれども、衆寡敵せず内城に退いた。李如松楊元等は普通門より、李如柏は合毬門より、張世爵は七....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ていることはわかりきっている、そうしてどのみち、新撰組を正面の敵に廻した以上は、衆寡敵せざることもわかりきっている、従って行く以上は斬死《きりじに》のほかに手の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
はずっと大人げなくも見え、殺気立っても見えます。抜群の関取は必死に争うけれども、衆寡《しゅうか》敵せず、大勢の力士連に引きずられて、ついに鳥居傍まで、地面をズル....
怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
しなかった。二組の格闘のうえに、折重なって、烈しい乱闘となった。 が、二人は、衆寡敵せず、忽ち甲板上で、荒くれ水夫たちに組敷かれてしまった。 「太い小僧だ。銃....
机と布団と女」より 著者:坂口安吾
云って、ぜひ、もう一枚うつさせろ、私は彼の言い方が甚だ気に入らないのだけれども、衆寡敵せず、なぜなら、色男の写真が全然別人だというのは定説だからで、じゃアいずれ....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
木を引っこ抜いて防戦したが討ち死にし、難を聞いて駆けつけた工藤吉隆も奮闘したが、衆寡敵せず、ついに傷ついて絶命した。 日蓮は不思議に一命は助かったが、頭に傷を....
こま犬」より 著者:岡本綺堂
来たのは浮田秀家と小西行長の両軍で、小袋喜平次も必死に防戦したそうだが、何分にも衆寡敵せずというわけで、四、五日の後には落城して、喜平次秋忠は敵に生捕られて殺さ....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
ますねえ」 「引け! というので引いてしまいました。その現われた連中の方が」 「衆寡敵せずの反対で」 「するとどうでしょう、提燈の火だ」 「ほほう提燈? 通行人....
老狸伝」より 著者:佐藤垢石
州へ攻め入った。まず松井田の城を攻め、城主大道寺政繁は坂本にこれを防いだけれど、衆寡敵わず敗走、ついにその先導となって上杉前田勢に加わったのである。それより進ん....
三国志」より 著者:吉川英治
孫策の部下十三騎の人々もここへ探しあてて来た。 当然、乱軍となった。 しかし衆寡敵せず、孫策以下の十三騎も、次第に攻めたてられて、狭い谷間まで追いつめられた....
猪の味」より 著者:北大路魯山人
るから、そういうことになるのであろうが、いかに猪の肉が豪味であろうとも、それでは衆寡敵し得ないのである。なんにしても、猪なべ会というふれこみの大会は、猪肉を賞味....