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「衆心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

衆心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
置所を脱走して来た未決囚の一団が、良心の囁きに傾きがちな不安な耳へ、ぶっつける群衆心理の叫び声であったが、北山の耳は、 「お前も逃げろ!」 と、聴いたのだ。だ....
自叙伝」より 著者:大杉栄
る哲学の講義のようないろんなものも読んだ。 小野寺はまた僕に仏文のルボン著『民衆心理』というのは面白い本だから読めと言って勧めた。それも僕は、字引を引き引きし....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ある。それは責任を感じない。また咎められる心配もない。衆口金を鎔かすというが、群衆心理がそれであった。仏蘭西王もそのために殺され、近代の政治家もそのために仆れた....
運命」より 著者:幸田露伴
実にして隙無く、平安は驍勇にして奇を出す。我軍は再戦して再挫し、猛将多く亡びて、衆心|疑懼す。戦わんと欲すれば力足らず、帰らんとすれば前功|尽く廃りて、不振の形....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
傍にいるお蔭で、そうした才能や美徳も、泥土のように見くびられているが、それには群衆心理の意地の悪さがないとは云えなかった。――今も庸三はそういうふうに葉子を買っ....
イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
理学者ル・ボンに於て見ることが出来る、という点に存在する*。 * ル・ボンの『群衆心理学』は最も重大な古典的文献であるが、それに対する批評も亦決して少なくない。....
西瓜」より 著者:岡本綺堂
「ひとりでも大勢でも同じことだよ。君は『群衆妄覚』ということを知らないのか。群衆心理を認めながら、群衆妄覚を認めないということがあるものか。僕はその事件をこう....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
止まなかった。新平民いじめと、こうした仲間いじめほど止め難いものはない。やはり群衆心理、――ユダヤ人迫害とか、アルメニヤ人虐殺とか大人にあらわれる本能が、子供た....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
、舞台裏の注意を、自分から他に、外らそうとして利用したに過ぎない。ねえ支倉君、群衆心理の波及力には、悪疫以上のものがあると云うじゃないか。所が、その病源と云うの....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
どを持って追っかけて来た。千代古屋の若い衆を先に立てて近所の人々が訳わからずに群衆心理に支配されて、兵馬を追って来たのであった。 「食い逃げだ!」「賊だ!」「敵....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
が頻々と起っている。それは実にその伝播の迅さといっては恐ろしい位のもの、一種の群衆心理と申すか、世間はこの噂で持ち切り、人心|恟々の体でありました。 また、或....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
が俄かに殖えて、それらが一杯機嫌などでむやみに騒ぎ立てるので、それがまた一種の群衆心理を醸し成して、劇場へゆけば皆騒ぐものというような悪い習慣を作ってしまったら....
海嘯のあと」より 著者:田中貢太郎
たが、心の顛倒がまだ収まらないし、それに女房を失った者もざらにあるので、一種の群衆心理でそれを諦めていた。 (みんな、同じことだ) それでも壮い漁師は、その女....
偶言」より 著者:津田左右吉
がわかるか」という高踏的態度もここから生ずる。なるほど、それは尤である。芸術は群衆心理に支配せられるべきものでもなければ、投票の多寡で価値の決まるものでもない。....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
余裕のない場合は躊躇なく強制的に命令せねばならない。それ以外の場合は指導者は常に衆心の向うところを察し、大勢を達観して方針を確立して大衆に明確な目標を与え、それ....