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行く
「行く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
行くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
、窓には誰も見えない。ただ逞《たくま》しいブルテリアが一匹、少年の足もとを通って
行く。少年の匂《におい》を嗅《か》いで見ながら。
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「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
打の場所と定めた祥光院《しょうこういん》の門前へ向った。ところが宿を離れて一二町
行くと、甚太夫は急に足を止めて、「待てよ。今朝《けさ》の勘定は四文《しもん》釣銭....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
昔を思い返せば、当時の苦衷が再び心の中によみ返って来る。――しかし、もうすべては
行く処へ行きついた。
もし、まだ片のつかないものがあるとすれば、それは一党四十....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
ハンカオ》の領事館へ赴任《ふにん》することになるのです。
主筆 妙子も一しょに
行くのですか?
保吉 勿論一しょに
行くのです。しかし妙子は立つ前に達雄へ手紙を....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
ているように、厳かな感じを起させました。 「御嬢さん、御嬢さん」 遠藤は椅子へ
行くと、妙子の耳もとへ口をつけて、一生懸命に叫び立てました。が、妙子は眼をつぶっ....
「墓」より 著者:秋田滋
うど愛の抱擁をした人間が女の体臭を大切にもっているように、その腐肉の悪臭、腐って
行くわたくしの愛人の臭いを大切にまもっていたのでした。 わたくしが申しあげるこ....
「初雪」より 著者:秋田滋
らぬ財産目あての理由があった。本心が云えるものならば、彼女は「あんな人のところへ
行くのは厭だ」と云いたかったのであろう。けれども、両親の意に逆らうのもどうかと思....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
てか、左まで思わば出京せよと許可を得たり。 穂垂の息子が東京へエライ者になりに
行くぞ目出とう送りてやれよとて、親族よりの餞別見送り、父はそれらに勇みを付けて笑....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
長文の返事になっていた時なので、 「サー・デビーが英国を出立する前、下僕が一緒に
行くことを断った。時がないので、代りをがある。」 「しかしサー・デビーは、その土....
「寡婦」より 著者:秋田滋
うもの、私は毎朝その子が摘んだ花を貰いました。また、毎晩、その子は部屋へあがって
行く前に私の手に接吻して、こう囁くのでした。 「僕はあなたを愛しています!」 ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
するように、と招待の辞を述べた。黒人というものは、こういった類いのつまらぬ使いに
行くと、とかく偉そうな振りをして、気取った言葉を使うものだが、この男もその例にも....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
。が、いつもそれは思い違いだった。 二人がどこの教会よりも一番よけいに出かけて
行く教会があった。その教会の入口のところに「浄めのお水」をかける老人がいた。二人....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
し、死んでゆく。それらのものは、道のうえに踏み潰された蟻を、その足跡として残して
行くだけだ。小屋に住む黒人たちの国に行ってみよ。風に揺らめく褐色の天幕の下に寝起....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
海灘から吹きつける肌寒い夜風位いには驚きません。歌論は歌論へ、秋月は歌心へ、帰り
行く友を送ってそこらまでの心算がやがて博多の街つづきである箱崎になんなんとする地....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
姓は少しばかりの田を耕しながら、その合間に炭を焼いて三里ばかり離れた城下に売りに
行くのを仕事にしておりました。 三人の百姓の生れた村というのは、それはそれは淋....