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行く人
「行く人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
行く人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
萩寺と云えば、その頃はまだ仁王門《におうもん》も藁葺《わらぶき》屋根で、『ぬれて
行く人もをかしや雨の萩《はぎ》』と云う芭蕉翁《ばしょうおう》の名高い句碑が萩の中....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
るのに従って、今度は何となく私の眼にも、そこの月の光の中に、だんだん小さくなって
行く人影があるような気がしました。これは申すまでもなく、私の神経の迷かもしれませ....
「二つの道」より 著者:有島武郎
て驚嘆する。それは二つの道のうち一つだけを選み取って、傍目《わきめ》もふらず進み
行く人の努力である。かの赤き道を胸張りひろげて走る人、またかの青き道をたじろぎも....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
意味を除去することなしには用いることを肯んじない。散文を綴る人は前者であり、詩に
行く人は後者である。詩人とは、その表現の材料を、即ち言葉を智的生活の桎梏から極度....
「階段」より 著者:海野十三
か二階で人の呻吟くような声をきいたと思った。するとトントンと二階から一階へ降りて
行く人の跫音がかすかに聴えてきた。やがてガチャンと言う硝子扉にうち当ったような音....
「一坪館」より 著者:海野十三
いにおいをかぎ、おなかをすかせ、三人組からは、悪口をあびせかけられ、向うの通りを
行く人々からは相手にされないで、源一もすっかり元気をなくし、くたびれはてて焼けあ....
「恐竜島」より 著者:海野十三
ことを。あははは」 ダビット技師が、ふきだして笑う。 「笑いごとじゃない。先へ
行く人は、大警戒をしなされ。はっくしょい」 伯爵は、うしろで又大きなくさめを一....
「火星兵団」より 著者:海野十三
だ。言わないのがええじゃろう」
新田先生は、胸をつかれたように、はっと思った。
行く人々の話によると、千二の父親は大怪我をしたらしい。一体、どうして大怪我などを....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
つ。 叔母とその奴婢の輩は、皆玄関に立併びて、いずれも面に愁色あり。弾丸の中に
行く人の、今にも来ると待ちけるが、五分を過ぎ、十分を経て、なお書斎より来らざるに....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
あるから、判事は思わず胸が騒いで幽に肉の動くのを覚えた。 向島のうら枯さえ見に
行く人もないのに、秋の末の十二社、それはよし、もの好として差措いても、小山にはま....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
「だが、その滝の傍までは行っても差支が無いそうじゃないか。」 「そこまでなら偶に
行く人もございますが、貴方何しろ真暗だそうですよ。もうそこへ参りました者でも、帰....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
子をたずねまわりましたけれども影も形もありませんかった。 しかし今でもこの町に
行く人があれば春でも夏でも秋でも冬でもちょうど日がくれて仕事が済む時、灯がついて....
「可愛い山」より 著者:石川欣一
なってこっち岸の岩を三つ四つ、横っ飛びに、下流の方へ走った。手をのばして、流れて
行く人の手だか足だかをつかまえた。 さすがは山に住む人だけあって、渓流に落ちた....
「活人形」より 著者:泉鏡花
高田の下男銀平は、下枝を捜し出さんとて、西へ東へ彷徨つ。巷の風説に耳を聳て、道|
行く人にもそれとはなく問試むれど手懸り無し。南を指して走りしと得三の言いたれば、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
の峰をすぎ、汽車は川流にそって走り岩陰に入った。谷のほとり百里ほどは那の東の路、
行く人の姿は見えず、ただ林をみるのみである。) 嶺頭に近き所に旅館あるは、避暑....