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「行乞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

行乞の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
から台所の支度、それに馬翁の身の廻りの面倒までもみなければならなかった。たまには行乞にも行かなければならない。折角思い立った座禅思惟を取られて思うように運ばなく....
雑記」より 著者:種田山頭火
さい、私にもそんな気がしないでもないのですが)。 本集を発送したら、久しぶりに行乞の旅に出かけるつもりです。時々行乞しないと米塩にも困りますが、それよりも人間....
四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
歩いた、飯ばかりの飯も食べた、自分で自分の胃袋のでかいのに呆れる。 途中、すこし行乞、いそいだけれど牟岐へ辿り着いたのは夕方だった。よい宿が見つかってうれしかっ....
鉄鉢と魚籃と」より 著者:種田山頭火
集黎明、これは若狭紙を大判のまま使って、なかなか凝ったものである。 午後は近在行乞、家から家へ歩きまわっているうちに、何だか左胸部が痛むようなので、二時間ばか....
独慎〔扉の言葉〕」より 著者:種田山頭火
石であろうと、何であろうとありがたく戴くだけの心がまえは持っているつもりである。行乞の或る日、或る家で、ふと額を見たら、『独慎』と書いてあった。忘れられない語句....
『鉢の子』から『其中庵』まで」より 著者:種田山頭火
ボタ山を眺めながら話し合っていた。 ここで、其中庵の第二石が置かれた。今暫らく行乞の旅を続けているうちに、造庵の方法を講じてあげるとのことであった。 私は身....
道〔扉の言葉〕」より 著者:種田山頭火
いつぞや、日向地方を行乞した時の出来事である。秋晴の午後、或る町はずれの酒屋で生一本の御馳走になった....
物を大切にする心」より 著者:種田山頭火
から、神と偕《とも》にある世界、仏に融け入る境地へみちびく。 先年、四国霊場を行乞巡拝したとき、私はゆくりなくHという老遍路さんと道づれになった。彼はいわゆる....
私を語る」より 著者:種田山頭火
る。少くとも自分の性だけは。―― 私は労れた。歩くことにも労れたが、それよりも行乞の矛盾を繰り返すことに労れた。袈裟のかげに隠れる、嘘の経文を読む、貰いの技巧....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
申せば武士の日常茶飯事……」 スタスタと板縁から土間へ出て、塗下駄を突っかけ、行乞の深笠をとって頭につけた。そして、みずから戸を開け、みずから後を閉めて、万吉....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、当りまえの竹の子笠である、尻切れ草履をびたびた摺って、雨さえ降らなければ、町へ行乞に出かけるのだった。案山子が歩いているように、鼻下の髭までがみすぼらしい。 ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
その余恵は、幾百年の末まで、幾多の人間を養うことにもなる。 武者修行は、由来、行乞を本則としている。人の布施に依って学び、人の軒端をかりて雨露をしのぐことを、....