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行楽
「行楽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
行楽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
、四つ折の半紙に画を描いてくれる。画は墨を使うばかりではない。僕の姉の水絵の具を
行楽の子女の衣服だの草木の花だのになすってくれる。唯《ただ》それ等の画中の人物は....
「或る女」より 著者:有島武郎
十一月となると夕暮れを催した空は見る見る薄寒くなって風さえ吹き出している。一日の
行楽に遊び疲れたらしい人の群れにまじってふきげんそうに顔をしかめた倉地は真向《ま....
「春の盗賊」より 著者:太宰治
も、敢然と、割勘《わりかん》を主張して、ひそかに軽蔑を買っている様子である。人と
行楽を共にする場合でも、決して他人の切符までは、買ってあげない。自分ひとりの切符....
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
の日曜とて、青山の通りは人出多く、大空は澄み渡り、風は砂を立てぬほどに吹き、人々
行楽に忙がしい時、不幸の男よ、自分は夢地を辿《たど》る心地《ここち》で外を歩いた....
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
のところへ、三階か四階にある、控室なり台所なりのついた二間ばかりの部屋で、食事や
行楽をさし控えてずいぶん高い犠牲の払われたランプだの、その他ちょっとした小道具と....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
通いの猪牙船《ちょきぶね》……群れ飛ぶ都鳥……。 両国橋の上に立って、そうした
行楽気分を思い得る人は幸福である。 建築交通の巻 現代式の新東京人 「江戸ッ子....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
鈍にも見えないくせに、一年じゅうこれと言ってする仕事もなく、退屈をまぎらすための
行楽に身を任せて、それでも使い切れない精力の余剰を、富者の贅沢の一つである癇癪に....
「安重根」より 著者:谷譲次
の手段の奸猾は 世界に有名なるものを わが同胞五六の後は われらの江山は奪われて
行楽ともになし得ざりしを 甲午年の独立と 乙巳年の新条約後 ようよう自得下行の時....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
彼岸桜に始まって、やがて心も向島に幾日の賑いを見せ、さて小金井、飛鳥山、荒川堤と
行楽に処は尠からぬも、雨風多き世に明日ありと油断は出来ず、今日を一年の晴れといろ....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
私の機嫌など消滅してしまい、不潔な一日を得て帰ることも多い。 そこで私は外出や
行楽は必ず日曜祭日以外においてすることにきめている。そして花時や祭日は家に籠居し....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
けているところの、それらの画家の顔が潜んでいることである点、多少とも松茸狩や秋の
行楽に比して鬱陶しいことであるかも知れない。 さて今年は会員、会友、および一般....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
とする者、向島へ渡るものは枯草の情趣を味うとか、草木を愛して見ようとか、遠乗りに
行楽しようとか、いずれもただ物見遊山するもののみであった。 ◇ ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
歩くこと自体が遊びであり、あッちの店をのぞき、こッちの店へ色目をつかい、ノンビリ
行楽するところである。その
行楽まで規則でしばりつけ、働き蟻のように、また兵隊のよ....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
びた、ささやかな、むしろ可憐な感じのものながら、流石に初夏の宵の縁日らしい長閑な
行楽的な気分が漂っていた。すぐ近くの河田町にある女子医専の若い女学生が、黒い洋服....
「釜沢行」より 著者:木暮理太郎
た黄金色に冴えている。飛び交う羽虫の翼が其間からひらひら閃めく。実に長閑な晩春の
行楽であった。自分等はすっかり満足した。 かくして栃本に着いたのは午後五時を過....