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行水
「行水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
行水の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
かない申さぬ。今宵は――」と云いかけながら、急に皮肉な調子になって、「今宵は、御
行水《ごぎょうずい》も遊ばされず、且つ女人《にょにん》の肌に触れられての御誦経《....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
山がまるで氷ってしまい、川も崕《がけ》も残らず雪になりましても、貴僧《あなた》が
行水を遊ばしたあすこばかりは水が隠《かく》れません、そうしていきりが立ちます。
....
「春昼」より 著者:泉鏡花
えるごとに、ほい、ほい、と言う勇ましい懸声で。おまけに一人の親仁なぞは、媽々衆が
行水の間、引渡されたものと見えて、小児を一人|胡坐の上へ抱いて、雁首を俯向けに銜....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
お思いでない。――聞きな。さてとよ……生肝を取って、壺に入れて、組屋敷の陪臣は、
行水、嗽に、身を潔め、麻上下で、主人の邸へ持って行く。お傍医師が心得て、……これ....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
んだ。 ひょう、ひょう。 翁が、ふたふたと手を拍いて、笑い、笑い、 「漁師町は
行水時よの。さらでもの、あの手負が、白い脛で落ちると愍然じゃ。見送ってやれの――....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
暗香ありて、垣の内より洩れけるにぞ法師は鼻を蠢めかして、密に裡を差覗けば、美人は
行水を使いしやらむ、浴衣涼しく引絡い、人目のあらぬ処なれば、巻帯姿繕わで端居した....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
、燧火を一つ置いといて頂けば沢山で。」 この家の細君は、まだその時、宵に使った
行水の後の薄化粧に、汗ばみもしないで、若々しい紅い扱帯、浴衣にきちんとしたお太鼓....
「鴨の喜劇」より 著者:井上紅梅
遠くの方でパシャパシャと水音がしたので、行ってみると、その四つの鴨が蓮の池の中で
行水をつかっていた。彼等はさかとんぼを打ったり、何か食べたりしていたようであった....
「幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
ように物憂く横たわっている。 「二十三斤半……」 彼が薪がまもなくベッドの下に
行水の流れは絶えず進んで来るのを予想すると頭の中がまたガサガサになって入口へ行っ....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
隅に、べいらべいら舌さあ吐いとるだ。 思ったより大うがした。 畜生め。われさ
行水するだら蛙飛込む古池というへ行けさ。化粧部屋|覗きおって白粉つけてどうしるだ....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
いだのもあれば、腋の下まで腕まくりするのがある。 年増のごときは、 「さあ、水
行水。」 と言うが早いか、瓜の皮を剥くように、ずるりと縁台へ脱いで赤裸々。 ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
を煽いだ事だって滅多には無かったでしょう。私あ上りまして見ましたがね、お夏さんが
行水を使って、立膝でこう浴衣の袖で襟を拭いてると、女中がね、背後で団扇車ってやつ....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
っぱり、お前、とても身分違いで思が叶わぬとッて、そ、その男を殺すというのだい。今
行水を遣ってら、」 「何をいわっしゃる、ははははは、風邪を引くぞ、うむ、夢じゃわ....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
厭だと云って、折たたみの風呂を持参で、奈落で、沐浴をするんだそうだっけ。血の池の
行水だね、しかし白蓮華は丈高い。 すらりと目を眄して、滑かに伸ばす手の方へ、印....
「迷信解」より 著者:井上円了
て戸外に出でて見れば、己の湯衣を縦横に切りて地に落とし置きたり。これは昼のうちに
行水を行い、湯衣を竿にかけてほしたるまま取り込むことを忘れたれば、夜中幽霊のごと....