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「行詰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

行詰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
霊訓」より 著者:浅野和三郎
の一節は、正に本章の圧巻で、再思三考に値する。人心の悪化、労資の軋轢、世界現状の行詰等を歎息するものは世間に多いが、それ等の中の幾人かが、かかる世相の由って来る....
活人形」より 著者:泉鏡花
ら亭主の我が連れて帰るに故障はあるまい。といわれて否とは言われぬば、得衛もぐっと行詰りぬ。八蔵得たりと畳みかけて、「さあ、出して渡してくれ、否と言うが最後だ。と....
婦系図」より 著者:泉鏡花
形勢かくのごとくんば、掏摸の事など言い出したら、なおこの上の事の破れ、と礼之進行詰って真赤になり、 「是非がごわりませぬ。ともかく、早瀬子を説きまして、更めて....
三枚続」より 著者:泉鏡花
トと叩いて気を着けた。振向くと眉を顰めて、かぶりを振って見せたので、 「癇、」と行詰り、 「癇……癪なんぞお起しなすっちゃあ不可ません、紋床の親方なんぞも申しま....
式部小路」より 著者:泉鏡花
ゃ喧嘩するが商売なの。」 「お嬢、」 「その癖弱いのよ。」 「お嬢さん、」 と行詰って、目と口を一所に、むッ。突当ったように句切りながら、次第ににじり込んだ框....
春昼」より 著者:泉鏡花
て、左右から苗代田に取詰むる峰の褄、一重は一重ごとに迫って次第に狭く、奥の方暗く行詰ったあたり、打つけなりの茅屋の窓は、山が開いた眼に似て、あたかも大なる蟇の、....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
が、貴女、」とうっかりいう、 「はい?」 と促がすように言いかけられて、ハタと行詰ったらしく、杖をコツコツと瞬一ツ、唇を引緊めた。 追っかけて、 「何んでご....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
」 「血迷うな、誤解はどうでも構わないが、君は卑劣だよ。……使った金子に世の中が行詰って、自分で死ぬのは、間違いにしろ、勝手だが、死ぬのに一人死ねないで、未練に....
二葉亭四迷」より 著者:内田魯庵
とても自分の最大苦悶を紛らす事が出来ないという意味にも解釈される。 世の中には行詰った生活とか生の悶えとか言うヴォヤビュラリーをのみ陳列して生活の苦痛を叫んで....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
然従来の文章型を無視した全く新らしい文体を創めた。二葉亭の直話に由ると、いよいよ行詰って筆が動かなくなると露文で書いてから飜訳したそうだ。二葉亭の露文は学生時代....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
とまで、官憲の非違横暴を認めつつもとかくに官憲の肩を持つ看方をした。 「露西亜は行詰っているが、革命党は空想ばかりで実行に掛けたらカラ成っていない。いくらヤキモ....
暗号の役割」より 著者:海野十三
ったか。しかし封筒の中にはいっていたのは用箋一枚きりだった。困った」 袋探偵は行詰って、紙片をいまいましく眺める。 もうすこしで解けるような気がする。それで....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
はもう底が見え、交換物資の衣料、ゴム靴、地下足袋等ももうなくなろうとし、いよいよ行詰まりの一歩手前の観ある。やがては買出しも出来なくなるものと思われる。配給など....
壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
呼声も、どうやら余計に踏んで来たように覚えた頃、一行は断崖下に大河の横たわるのに行詰った。 「三面川の上流に御座りまする。もう向岸が三面で御座りまする」 人夫....
石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
って来て、ほら、昨晩のあれでしょう。全く腐っちまうね……だが僕は、こんなところで行詰りたくない」 やがて秋森家の門前へつくと、蜂須賀巡査はポケットから大きな巻....