行過ぎる[語句情報] »
行過ぎる
「行過ぎる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
行過ぎるの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
あるのは言うまでもない。 お妙は、扉に半身を隠して留まる。小使はそのまま向うへ
行過ぎる。 閑耕は、キラリ目金を向けて、じろりと見ると、目を細うして、髯の尖を....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
權六も挨拶する事ぐらいのことは心得て居りますから、丁寧に挨拶する。渡邊も答礼して
行過ぎるを見済して、 大「彼は」 權「彼が渡邊織江様よ、慈悲深い方で、家来に難儀....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
した、隧道を出て、衝と隧道を入る間の茶店に、うしろ向きの女だの、都では矢のように
行過ぎる馬車の中などに、それか、と思うのは幾たびも見かけたんですが……その熊の時....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
……そこに切張の紙に目隠しされて、あの女が染次か、と思う、胸がドキドキして、また
行過ぎる。 トあの鼠鳴がこっちを見た。狐のようで鼻が白い。 俊吉は取って返し....
「追憶の冬夜」より 著者:寺田寅彦
止まるかと思っているとただそのまま行過ぎて消えてしまう。今度こそと思ったのもまた
行過ぎる。そんなことを繰返し繰返し十二時過ぎても眠られないで待っている。やっと車....
「KからQまで」より 著者:寺田寅彦
来た青年団員がおしまいに少し腹を立てたらその時だけ消した。しかし青年団員が一町も
行過ぎるとまた点燈した。尤も電燈を消さなかったのは風呂屋の主人であるが、それを消....
「鸚鵡蔵代首伝説」より 著者:国枝史郎
鸚鵡蔵の方へは行かない方がいいって」 「さようでございますとも、魔がさしますで」
行過ぎる嘉十郎のうしろ姿を見送りながら、菊弥は、鸚鵡蔵の由縁を、一番最初に自分へ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
て抱こうとしたろう。 婦は影のように、衣ものの縞目を、傘の下に透して、つめたく
行過ぎるとともに、暗く消えた。 その摺れ違った時、袖の縞の二条ばかりが傘を持っ....