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衒学的
「衒学的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
衒学的の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「食魔」より 著者:岡本かの子
のもの」としたなら、死もまた「これは、まず、これだけのもの」に過ぎなかった。彼は
衒学的な口を利くことを好むが、彼には深い思惟の素養も脳力も無い筈である。 これ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
……まさにそれは、革鞭のような虹でした。ですが、犯人を気取ってみたり、久我鎮子の
衒学的な仮面を被けたりしている間は、それに遮られていて、あの虹を見ることが出来な....
「読書法」より 著者:戸坂潤
何か文章に色艶でもつけようというような潜在意識で、アレキサンドリア主義などという
衒学的な言葉を使って見たくなったのである。私の思想、それはここでは、文献学という....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
のだろうか。師弟関係がなくてむしろ若い女の感覚で越智をうけとっている伸子は、彼を
衒学的な上にきざな男と思っていた。多計代が伸子に、 「伸ちゃん、お前シュタイン夫....
「道標」より 著者:宮本百合子
していた。相川良之介の特色であった知識に対する貪欲とも云い得る強烈な欲望、伸子が
衒学的だと感じて、常に反撥したその欲望は、日本の中流下層階級に属して、この社会に....
「「インガ」」より 著者:宮本百合子
立たなければならなくなった彼等が、素朴な管理者が閉口するように、報告を出来るだけ
衒学的な文句で書いたり、必要もないのに、馬鹿叮寧な術語をしかもドイツ語で並べたて....
「バルザックに対する評価」より 著者:宮本百合子
の大古典時代めいた形容詞を羅列した文章に足を絡まれる。非常に古代美術愛好家風な、
衒学的な、却ってそれが一種の野卑を感じさせる婦人の美の説明が我々を間誤つかせてい....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
のは、何人も必要のない処のものは容易に直覚出来にくいもので、そこから無用に煩雑な
衒学的な分析も出て来ないとは限らないのだが、併し之とは反対に、必要のある処では、....
「再び科学的精神について」より 著者:戸坂潤
だから之はより組織された文学主義であり、より根拠の明らかな錯誤の体系であり、より
衒学的でもあり得る言論機構だ。 私は文献学主義という公式を用いて、現下の日本に....
「推理小説について」より 著者:坂口安吾
一般に探偵小説界は、まだ知識の語学時代に見うけられる。 法医学上のことなども、
衒学的にふりかざゝれており、別にそうまで専門的なことを書く必要もないところで法医....
「足のない男と首のない男」より 著者:坂口安吾
以上のいかなる本も所持してゐないのである。かういふシブイ人物であるから杉山英樹の
衒学的大風呂敷とはソリが合はないので、由来衒学者は田舎者であり、郡山は最もイキ好....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
厚さには独断の臭みがなく、その講義は、あけっぱなしで、人の好さがあらわれ、どんな
衒学的な考え方もしなかった。教授は数えきれない方法で私のために知識の道を歩きやす....
「新らしき文学」より 著者:坂口安吾
疑それ自身は別である、突きつめるところ、自信なく、且つ自己を主張せんとする因循な
衒学的な気取りはもう私に必要でない。我々の時代には飛ぶ矢は常に飛んでいる。身をも....
「新案探偵法」より 著者:小酒井不木
も、「条件反射」の何物であるかを説明しなければなりません。こうした説明は、とかく
衒学的に見えるものでなるべくならば物語からは省きたいのですけれど、話が骨抜きにな....