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「術後〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

術後の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
明暗」より 著者:夏目漱石
こういう会話と共に午飯《ひるめし》を済ました。 四十五 手術後の夫を、やっと安静状態に寝かしておいて、自分一人下へ降りた時、お延はもう約束....
新生」より 著者:島崎藤村
せた。 「自分はもう駄目かしら」 針医の行った後で、岸本は独りで言って見た。手術後の楽しく激しい疲労から、長いこと彼は死んだように壁の側に横になっていた。部屋....
顔の美について」より 著者:伊丹万作
があるが、もつたいない話である。それも本当に美しくなれるならまだしもであるが、手術後の結果を見るとたいがい徹宵泣きあかしたあとのような眼になつてしかも本人は得意....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
と次のような文句になった。 「シュジュツゴ、ガーゼヲトッテ、テガミヲミヨ」 「手術後、ガーゼを取って、手紙を見よ」この信号は、繰返し発信されたのだった。 口の....
自叙伝」より 著者:大杉栄
したわ。」 お嬶はまたこんな話もした。そして、母の死は実は医者の過失なので、手術後腹が痛み出してまた切開して見たら中から糸が出て来て、大変な膿を持っていたなぞ....
痴人の復讐」より 著者:小酒井不木
と期待して居たからであります。 果して、私の期待したことが起りました。患者は手術後、程なく無事に麻酔から覚めて、元気を恢復し、その日は別に変ったことはなかった....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
らね。」 何事なく言っているうちに、庸三は十二三年前に、胃腸もひどく悪くて、手術後の窶れはてた体を三週間もベッドに仰臥していた時のことを、ふと思い出した。十三....
李陵」より 著者:中島敦
》が降《くだ》ったのである。 薄暗い蚕室《さんしつ》の中で――腐刑《ふけい》施術後当分の間は風に当たることを避けねばならぬので、中に火を熾《おこ》して暖かに保....
備忘録」より 著者:寺田寅彦
たが、追放の衆議の圧迫に負けてしまってとうとう入院させて手術を受けさせた。 手術後目立っておとなしく上品にはなったが、なんとなく影の薄い存在となったようである....
脳の中の麗人」より 著者:海野十三
しょう。この前は、宮川さんがたいへんな外傷を負っていらしったせいで、あのように手術後の恢復も長引き、精神状態も危かしかったのでございましょうね」 「まあ、そんな....
雪の夜」より 著者:織田作之助
した。やがて、照枝は流産した。それが切っ掛けで腹膜になり、大学病院へ入院した。手術後ぶらぶらしているうちに、胸へ来た。医者代が嵩む一方、店は次第にさびれて行った....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
ムを嗅がされて意識を失う時の、恐るべき嫌悪すべき心持を忘れることができません。手術後で今日は五十日目なのに、まだなかなか癒えそうにありません。毎日痛い目を忍んで....
澪標」より 著者:外村繁
く。部長は大きな目で私を直視して言う。 「奥さんのはかなり進行していますから、手術後、大塚へ移って、コバルトをかけてもらいます」 更に私は原田主任医のところへ....
落日の光景」より 著者:外村繁
返るような、沈丁花の芳香を幻覚する。 妻の病室は三階の三十八号室である。妻は手術後の経過は良好で、疼痛もなく、至って元気である。勿論、自分で自分に虚勢を張って....
麺くひ」より 著者:桂三木助
帰り度くなる時が有る。喰べて見たら存外旨いそばの時には尚口惜しい。 胃潰瘍の手術後、未だ思うように量が食えないことが何より残念です。特に「もり蕎麦」がネ。わた....