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街上
「街上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
街上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪後」より 著者:梶井基次郎
よ」 大槻は行一を送って本郷通へ出た。美しい夕焼雲が空を流れていた。日を失った
街上には早や夕暗《ゆうやみ》が迫っていた。そんななかで人びとはなにか活気づけられ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
彼は長くビヤトリスを見ることがなかった。そしてただ一度あった。それはフロレンスの
街上に於てだった。ビヤトリスは一人の女|伴れと共に紅い花をもっていた。そしてダン....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
だろう。そんなことがこの子を太陽の光から背かせることになり、随って陽の光を受けた
街上で元気に遊んでいる世の子供たちに馴染まなくなってしまったのだろう。太陽の嫌い....
「海底大陸」より 著者:海野十三
授、三千夫少年の四名をのせて、どこへ走り去ろうというのであろうか。 そのころ、
街上は逃げまどう群衆でたいへんなさわぎであった。 一体、なにごとが起こったとい....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
ない罵声をあびせつつ通りかかった。三人だった。 騎馬士官と、丸腰の兵士たちが、
街上になだれる群衆を制して道をあけた。苦力も、乞食も、独逸人も、日本人も
街上に波....
「独本土上陸作戦」より 著者:海野十三
たが、味方の撃ちだす高射砲弾の害。もう一つは、おそろしきスパイの害。――とにかく
街上でもホテルでも寝床の中でも、おそるべきスパイが耳を澄して聞かんとしていると思....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
悟しろ!」 と、軒下なる半之丞と思われる人物は始めて口を開いて、呪わしい言葉を
街上の勇士に抛げつけた。その途端に黒装束の怪人の大刀が電光のようにピカリと一閃し....
「アラメダより」より 著者:沖野岩三郎
して。 千五百尺の上空に昇った。バークレーの町が遙か下に見える。オークランドの
街上を豆のような自動車が走る。三百尺の高さだと誇る加州大学のベルタワーなんか、ど....
「偽刑事」より 著者:川田功
出した。 「あの、もし」彼女はこう云い乍ら巡査の方へ歩み寄るのであった。 風が
街上の塵埃を小さな波に吹き上げて、彼等二人を浸し乍ら巡査の方へ走って消えた。彼も....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ろされた。彼らは「閉じこめ」られた。階段から中庭へ、狂乱の暴徒は流れ出た。彼らは
街上に迸り出た。「宮殿へ! 宮殿へ!」と誰かが叫んだ。そして全部隊はエセックスの....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
教育上の一大欠点といわざるべからず。 米国中の都府には、往々番人なくして新聞を
街上に売るものあり。これを買う人は、まずその代価を銭箱の中に投入して一紙を持ち去....
「西航日録」より 著者:井上円了
さに五月中旬に入らんとするに、当地の気候なお寒く、夜中は寒暖計零度に下降し、朝来
街上に結氷を見る。昼間も北風ときどき寒を送りきたり、日本の三月上旬ごろの気候なり....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
を祈る、そのときにこの片紙を受けて帰るものならん。わが国の護摩札のごとし。また、
街上に売卜者多し。わが浅草観音の門前のごとし。題するに「毎事卦資二仙」とあり。ま....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
して、人の門に立ち、または路傍に技を演じて米銭を貰うという、いわゆる移動芸術家、
街上芸術家となる。もちろんその婦人には、淫を鬻いで遊女となるものもある。しかしな....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
るが、その山の手式の気分と下町式の色調とが、何等の矛盾も隔絶もなしに、あの一筋の
街上に不思議にしっくりと調和し融合して、そこにいわゆる神楽坂情調なる独特の花やか....