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「街区〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

街区の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
可哀相な姉」より 著者:渡辺温
の美しいイルミネエションの中に陽気な広告の楽隊が鳴り響いていた。私はそんな賑かな街区へ足を踏み入れたのは、全くこれが初めてであったけれども、私はひたすら姉を見失....
旅愁」より 著者:横光利一
るのだった。歩くにつれ、幾何学的な稜線が胸を狙って放射して来るように感じられる。街区の均衡の中に闇が降りて来た。昼間目立たなかった花屋の薔薇が豪華な光りを咲かせ....
コーヒー哲学序説」より 著者:寺田寅彦
なるので、ほど近いいろいろの美術館をたんねんに見物したり、旧ベルリンの古めかしい街区のことさらに陋巷を求めて彷徨したり、ティアガルテンの木立ちを縫うてみたり、ま....
北支点描」より 著者:豊島与志雄
前門外は元来、こうした老舗の町である。その側に遊里があるが、これは固より富有な街区への付属物である。遊里が付属してるばかりではない。前門外を少し出れば、日本人....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
を出した。彼の製作所は一つの中心をなしていたので、多くの貧困な家族らが住む新しい街区がまわりににわかにできてきた。彼はそこにまた無料の薬店を建ててやった。 初....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
は思い出した。偶然にも、言い換えれば天意によって、彼はまさしくサン・タントアーヌ街区のその修道院に投げ込まれたのだった。そこには、車から落ちて不具になったフォー....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
四世の頃はフランスの各地方の名前がつけられていて、あたかも今日ティヴォリの新しい街区の小路に欧州の各首都の名前がつけられてるのと同じであった。ついでに言うが、そ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
マリユスはクールフェーラックの所へ行った。その頃クールフェーラックは、もうラタン街区に平然と居住してはいなかった。「政治上の理由」からヴェルリー街へ移転していた....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
らしめ地下構造を脆弱《ぜいじゃく》ならしめていた。その流動性は、サン・ジョルジュ街区の砂よりもいっそう不安定なものであり、マルティール街区のガスを含んだ粘土層よ....
放浪作家の冒険」より 著者:西尾正
ぎって、Q街からS河の橋をわたって一時間たらずのところに一画をなしている、ある裏街区域へすっとばすことにした。腹癒《はらい》せもあったが、空にひっかかった月から....
動物園の一夜」より 著者:平林初之輔
った動物園は、その当時と少しも変わっていないように私には思われる。少なくも東京の街区のあわただしい変化とくらべるとここは昔のままである。 ところでこの年月の間....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
にのぼりて休憩し、小餐を喫す。楼上にありて一望するに、カントン全市眼下にありて、街区は碁盤の目のごとく、江上の行舟は蟻の動くがごとし。 五層楼上望無葉艇翩翩。 ....
望郷」より 著者:服部之総
う》の戸田農場や蜂須賀《はちすか》農場そのたがうまれた。いっそう入念に京都風な市街区画が完了して一般人の入市をゆるしたのは明治二十五年、そのときまでにはビバイ、....
上海」より 著者:横光利一
の中へ首を突っ込むと、動かなかった。参木は街を曲った。すると、その真直ぐに延びた街区の底で、喚く群集が詰りながら旗を立てて流れていた。それは明らかに日本の工場を....