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「衝心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

衝心の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
」とは父がその木小屋に遺《のこ》した絶筆であったという。父は最後に脚気《かっけ》衝心でこの世を去った。 百十八 それから鈴木の姉の上京後、....
一兵卒」より 著者:田山花袋
持病の脚気が昂進したのだ。流行腸胃熱は治ったが、急性の脚気が襲ってきたのだ。脚気衝心の恐ろしいことを自覚してかれは戦慄した。どうしても免れることができぬのかと思....
反戦文学論」より 著者:黒島伝治
て終日歩き、ついに、兵站部の酒保の二階――たしかそうだったと思っている――で脚気衝心で死ぬ。そういうことが書いてある。こゝでは、戦争に対する嫌悪、恐怖、軍隊生活....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
相続および御葬送儀式のために必要とせられたのであって、実際には七月の十九日に脚気衝心の病で薨去せられたという。それまでまだ将軍家は大坂に在城で征長の指揮に当たっ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
師小島拙斎も名古屋の出張先から帰って来ていて、最後まで半蔵の病床に付き添い、脚気衝心の診断を下した。夜のひき明けに半蔵が息を引き取る前、一度大きく目を見開いたが....
」より 著者:徳田秋声
くらい、幼々しさと優しさとをもっていた。 自分がまだ商売をしている時分に、脚気衝心で死んだ兄のことなどが思い出された。幼い時分に別れたその兄は、長いあいだ神戸....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
せた女らしい。其信心は何時から始まったか知らぬが、其夫が激烈な脚気にかゝって已に衝心した時、彼女は身命を擲って祈ったれば、神のお告に九年|余命を授くるとあった。....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
せよ、……今、酒を追加する……小豆は意気を銷沈せしめる。」 「意気銷沈より脚気|衝心が可恐かったんだ。――そこで、その小豆を喰いながら、私らが、売女なら、どうし....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
ないので、そのまま汽船便で帰郷した。帰ると一家は皆悲嘆に暮れている。父の病は脚気衝心であった。父は江戸以来この症に罹る癖がある、その上老年にも及んだので終に回復....
香奠」より 著者:豊島与志雄
てきましたのは。私が不在だったものですから、妻が急いで馳けつけてゆくと、彼は脚気衝心でもうどうにもならない状態に陥っていました。 彼がちょいちょい意識の明瞭な....
雪霊記事」より 著者:泉鏡花
。」 もう、それが末期だと思って、水を飲んだ時だったのです。 脚気を煩って、衝心をしかけていたのです。そのために東京から故郷に帰る途中だったのでありますが、....
海豹島」より 著者:久生十蘭
して、原因まで詮索しないのである。必要があれば、崖から落ちて死んだとでも、脚気が衝心して死にましたとでも、いいたい放題のとぼけたことをいってすまされるのであるか....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
前後していました。それから細木覚次郎君は内弟子となって修業中、気の毒なことに脚気衝心で私宅にて亡くなりました。遠慮深い人柄な人で、私も病中何かと世話をしたが急な....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
撃を始めて居るように感じたです。この様子で心臓まで麻痺してしまったらいわゆる脚気衝心というような具合で死ぬのか知らんと思いました。 博士も大分心配せられて傍ら....