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衣
「衣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
衣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
がて手近の卓子《テーブル》の上へ、その雑誌をばたりと抛《なげ》ると、大事そうに上
衣《うわぎ》の隠しから、一枚の写真をとり出した。そうしてそれを眺めながら、蒼白い....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
那人は、横浜の宿屋へ泊って日本人の夜着を見た時に、「是《これ》古《いにしえ》の寝
衣《しんい》なるもの、此邦《このくに》に夏周《かしゅう》の遺制《いせい》あるなり....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
ある春の夕《ゆうべ》、Padre Organtino はたった一人、長いアビト(法
衣《ほうえ》)の裾《すそ》を引きながら、南蛮寺《なんばんじ》の庭を歩いていた。
....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
をただ芸術的な気質《きしつ》を持った僕等の一人《ひとり》に考えていた。しかし彼は
衣食する上にはある英字新聞の記者を勤《つと》めているのだった。僕はどう云う芸術家....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
門の意をむかえて、当時内蔵助が仇家《きゅうか》の細作《さいさく》を欺くために、法
衣《ころも》をまとって升屋《ますや》の夕霧《ゆうぎり》のもとへ通いつめた話を、事....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
《たくま》しい谷村博士は、すすめられた茶を啜《すす》った後《のち》、しばらくは胴
衣《チョッキ》の金鎖《きんぐさり》を太い指にからめていたが、やがて電燈に照らされ....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
げ》の深い男である。床《ゆか》の上に引きずった着物は「あびと」と称《とな》える僧
衣らしい。そう云えば「こんたつ」と称《とな》える念珠《ねんじゅ》も手頸《てくび》....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
は山沢《さんたく》に逍遥《しょうよう》し、あるいはまた精神病院|裡《り》に飽食暖
衣《ほうしょくだんい》するの幸福を得べし。然れども世界に誇るべき二千年来の家族主....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
だったのを思い出した。僕等は二人ともこの七月に大学の英文科を卒業していた。従って
衣食の計《はかりごと》を立てることは僕等の目前に迫っていた。僕はだんだん八犬伝を....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
が――どうだね? その御嬢さんはどこにいらっしゃる」 遠藤はこう言いながら、上
衣の隠しに手を入れると、一|挺のピストルを引き出しました。 「この近所にいらっし....
「狂女」より 著者:秋田滋
まるで無関心であるらしく、ただ寝かされたままじいッとしていた。一人の兵士が、女の
衣類をいれた包を抱えて、その後からついて行った。 例の将校はしきりに自分の両手....
「初雪」より 著者:秋田滋
えている哀れなこの五体は、柏の柩の底に、経帳子にしようと自分が選んでおいたあの絹
衣につつまれた白骨をとどめるのみで、あわれ果敢なく朽ちはてているであろう。 彼....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
京へ乗り込むべしと思えば心に勇みを持ち、この宿りにては風呂へ入りしが棚へ脱ぎたる
衣類の間には彼の三十円あれば、据風呂の中へ入りながらも首を伸してこれを看守りたり....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
の前で馬車が止った。御使がデビーからの手紙を持って来たのである。ファラデーはもう
衣を着かえて寝ようとしておったが、開いて見ると、翌朝面会したいというのであった。....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
っているのだ。ところが突然その静粛を破って、黒人がひとり闖入してきた。麻屑製の上
衣とズボンを着て、マーキュリーの帽子のような、ふちのない丸い帽子をかぶり、手入れ....