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表出
「表出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
表出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
るのではないかと思われたほど――言葉がそこまでくると、滝人の全身に、異様な感情の
表出が現われた。そして、虻《あぶ》や黄金虫や――それまで彼女にたかっていた種々《....
「弓町より」より 著者:石川啄木
うことを指摘したにすぎなかった。 人の素養と趣味とは人によって違う。ある内容を
表出せんとするにあたって、文語によると口語によるとは詩人の自由である。詩人はただ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
自身の体験の不十分さを悲しむ外はない。私は言葉の堕落をも尤めまい。かすかな暗示的
表出をたよりにしてとにかく私は私自身を言い現わして見よう。 無元から二元に、二....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
である。ここではただこの問題に関するスピノザとハーバート・スペンサーの意義明瞭な
表出を挙げるだけで十分であると思う。すなわち、スピノザはその著倫理学(Ethik....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
○演技指導という言葉はわずかにこの仕事の一面を
表出したにすぎない。この仕事の真相は指導でもなく、監督でもなく、化育でもなく、叱....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
うな鋭い凝視だった。そして、顴骨から下が断崖状をなしている所を見ると、その部分の
表出が険しい圭角的なもののように思われ、また真直に垂下した鼻梁にも、それが鼻翼よ....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
を輾転反側した跡がない。無論手足に痙攣らしいものが見えるけれども、それには明確に
表出がないのだ。すると支倉君、君はこれを見てどう思うね?」 検事は答えられなか....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
としてますわ。ちかごろは、いったいドドがどんな機嫌でいるか――つまり、ドドの感情
表出も見ています」 「はあ、それがわかりますかね」 「ええ、第一ドドは笑われるの....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
もう一回の方は、事情があって当局へ届けなかった。その事情というのはその名画が、公
表出来ないような筋道を通ってその人の手に入ったもので、届ければ藪蛇になるのを嫌っ....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
仕事をなし遂げたと云う事も、一応は注目していいと思うね」 「それなら尚更、苦痛の
表出がなけりゃならんが」検事は片唾を呑んで法水の言葉を待ったが、その時別人のよう....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
くまいとする努力は、必死に末起の注意をひき、認めてもらおうとするらしい。 その
表出は、祖母にあらわれた、たった一つのものであった。しかしそれが、悦びか、悲しみ....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の表情姿体を観察して行くと、それには、恐怖驚愕などと云うような、殺人被害者固有の
表出を全く欠いていた。そればかりか、何んとなく非現世的な夢幻的なものに包まれてい....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
なってしまった。と云うのは、あの当時は、奈落にニスの臭いが罩っていたので、酸味の
表出で、淡路君が余儀ない偽りを吐いたと云う事が判ったのだよ」 「それでは、一体、....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
会見始末は精しく三山に通信して来たそうだが、また国際上の機微に渉るが故に世間に発
表出来ないと三山はいっていた。この三山も今では易簀してしまったが、手紙は多分三山....
「和製椿姫」より 著者:大倉燁子
頼んで神経衰弱という事にしてあるんですよ。まさか、神経麻痺だの、痴呆症だのって発
表出来ませんからな。気狂いなら失踪しても云いわけはたちますが、しかし、世間の話題....