表方[語句情報] »
表方
「表方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
表方の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
違って、あかりの設備に不自由なお時代なんだから、しばいとなるとむろん昼のもので、
表方の者にきくと、ちょうど四幕めの幕合いということでしたから、にらんだ犯人《ほし....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
場の前までは、場内を隈《くま》なくめぐって気を配っていたお角、開場と共に、楽屋と
表方の間に隠れて、始終の気の入れ方を見ている。 「梅ちゃん、この次は西洋の踊りで....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
女笹尾を筆頭としてお供の女中残らずが、黒姫の裾野の怪旋風に両眼殆ど潰れたも同然、
表方の侍とても皆その通りで、典薬が手当も効を見ず、涙が出て留度が無かった。 さ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ように思われた。宗矩には格式のある権門から輿入している妻室があった。その妻室は、
表方とはかけ離れていて、宗矩と琴瑟が和しているかいないかも分らないほど奥まった所....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
しようよ。登子、母上へおつたえしておけ」 その清子は、病夫貞氏と共に、まったく
表方には姿をみせず、隠居所の別殿にこもって、近ごろは“日課地蔵絵千枚”の発願に他....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
はいわない。それだけに人の腸をかきむしる。直義もいまは辛そうだったが、そのとき、
表方の武者が来て、なにか彼へささやいた。直義はそれをしおに、座を去った。 こん....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
”にまたたく春の半日は暮れてしまう。「所用あれば、あとの時務は一さい明日聞く」と
表方へいいわたして、湯殿の湯けむりに浸ったのがもう約束の宵だった。そろそろ千種忠....
「茶漬三略」より 著者:吉川英治
んで、 「小姓」 と、滴る襟の汗を拭いながら吩咐けた。 「出陣は、明早朝と――
表方の者に触れるように、すぐ伝えておけ」 湯殿の次の揚屋に腰打ちかけたまま、さ....
「美しい日本の歴史」より 著者:吉川英治
――或る時、その吉宗が、大奥からお表へ出る境の杉戸で、吉宗を送って来た奥女中と、
表方の小姓とが、そこを閉める瞬間に、そっと手を触りあっていたのを、吉宗がちらと見....