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「表書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

表書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
った。郵便だけは移転通知をして置いたので倉地の手もとに届いたけれども、倉地はその表書きさえ目を通そうとはしなかった。毎日の郵便はつやの手によって束《たば》にされ....
星座」より 著者:有島武郎
があるかもしれないからいっしょに出かけてみようといって、学校から七八町くらいだ、表書きの家は、そこに連れていってくれた。そこのお内儀さんが矢部さんを見るとマルタ....
闇夜の梅」より 著者:三遊亭円朝
とは思うが、金子《かね》が出た。見ると五十両ではなくして八十両の包み金《がね》、表書《うえ》には「本堂|再建《さいこん》普請金、世話人|萬屋源兵衞《よろずやげん....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
戸お公儀からの使者以外は、夜中の通行堅くお差止めの事と書いてあるのです。無論その表書き通りであったら、たやすく開門させることは困難であろうと思われたのに、しかし....
思い出の記」より 著者:小泉節子
固く包む事が自慢でございました。板など入れて、ちゃんと石のようにして置くのです)表書を綺麗に書きまして、それを配達証明の書留で送らせました。校正を見て、電報で『....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
届きました。披いて見ますと、神原四郎治からの書状でございます。渡邊祖五郎殿という表書、只今のように二日目に来るなどという訳にはまいりません。飛脚屋へ出しても十日....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
すぐに判るように教えられているのですから、早速それを探し始めました。 私はその表書きを読み分けようとして、暗いなかに眼を働かせている時、自分のうしろの方で軽く....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
なら書いて」 と海禪は硯箱をとって半治の身性を書いて、これ/\と紹介状を認め、表書をいたしまして、 海「さア」 半「有難え、成程これを持って行けば大丈夫だ、時....
盗まれた手紙」より 著者:佐々木直次郎
章がある。この宛名は、大臣に宛てたもので、細かく女文字で書いてあるし、あのほうの表書は、さる王族に宛てたもので、とても太い、しっかりした字で書いてある。ただ大き....
貞操問答」より 著者:菊池寛
子は、まだ綺麗な寝顔で、しんしんと眠っていた。枕元に、美和子宛の速達が来ていた。表書の筆蹟が、努めて違えてあるようだが、どこか、美沢のそれらしかったが、裏を返し....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
前がそこにいることをあの人に知らせてあるのさ。」 老事務員が手紙を丁寧に摺んで表書をした時に、クランチャー君は、その行員が吸取紙を使う段になるまで彼を無言のま....
良夜」より 著者:饗庭篁村
ければこの人を便りとしたりしなり。尋ね着きて伯父の手紙を渡せば、その人は受取りて表書の名を見るより涙を溢して悦び、口早に女房にも告げ神仏の来臨の如く尊敬して座敷....
土竜」より 著者:佐左木俊郎
、今どこにいるね?」 「あの放浪者は、今、北海道の、十勝の……先達手紙寄越して、表書きはあんのでがすが。――なんでも線路工夫してる風でがす。」 「ほう、線路工夫....
奇巌城」より 著者:菊池寛
た。女王は「遅かった。」とかすかに呟かれた。そしてその紙片を読んでいられた聖書の表書と覆いの間に隠された。そして女王もまもなくまた断頭台の上で亡くなられた。 ....
オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
た古い時代の建物が遺っている。そしてその建物の屋根裏から、先年「綸旨」と金蒔絵で表書きした黒塗りの空箱を発見したというほどの旧家であるから、無論この村の草分けの....